Unitree G1 / R1 / AgiBot G2 実機比較
研究用の廉価機、入門機、そして工場向けの業務機。同じ「ヒューマノイド」でも設計思想はまったく違う。公式仕様だけを並べて三機種の役割を分ける。
執筆・編集責任:日本フィジカルAI新聞 編集部
Unitree R1は4900ドル、G1は1万3500ドル、AgiBot G2は個別見積の工業機。 同じ「ヒューマノイド」という言葉で括られているが、この3機種は競合していない。 メーカー公式が公表している数字だけを並べると、どこで設計思想が分かれたかがはっきり見える。
公式仕様の比較#
以下はすべてメーカー公式ページに記載された値のみ。公表されていない項目は—とした[1,2,3,4]。
| 項目 | Unitree R1 | Unitree G1 | AgiBot 精霊G2 |
|---|---|---|---|
| 移動方式 | 二足歩行 | 二足歩行 | 車輪(全方向移動・蟹行)[3] |
| 身長 | 1,230mm[2] | 1,320mm(直立時)[1] | — |
| 重量 | 約27kg(AIR)/約29kg(R1・EDU)[2] | 約35kg(バッテリー込)[1] | — |
| 自由度 | 20(AIR)/26(R1・EDU)[2] | 23(標準)/23〜43(EDU)[1] | 本体26。腰部3自由度。19自由度の器用ハンドをオプション[3] |
| 腕の可搬 | — | 約2kg(標準)/約3kg(EDU)、スパン約0.45m[1] | — |
| 稼働時間 | 約1時間[2] | 約2時間(9,000mAh)[1] | デュアル電池のホットスワップ+自動充電。24時間のライン稼働を想定[3] |
| 計算機 | 単眼(AIR)/双眼カメラ[2] | EDUは高性能演算モジュールを選択可[1] | NVIDIA Jetson Thor T5000、2,070 TFLOPS[3] |
| 力制御 | — | 器用ハンドDex3-1(7自由度)をオプション[1] | 全腕に高精度関節トルクセンサ。亜ミリ精度の組付け[3,4] |
| 価格 | AIR 4,900ドル/R1 5,900ドル/EDUは要問合せ[2] | 13,500ドル/EDUは要問合せ[1] | 非公表(産業向け個別見積) |
| 位置づけ | 入門・研究 | 研究プラットフォーム | 工業級。100%車載グレード部品、IP42[4] |
三機種は別の問題を解いている#
R1 — 二足歩行を安く手に入れる
4,900ドルという価格[2]は、産業用ロボットアーム1本より安い。 27kgという軽さは、実験室で一人が抱えて運べる重さでもある。 一方で稼働は約1時間[2]、腕の可搬は非公表。これは「作業機」ではなく、 歩行制御と全身制御を学ぶための教材、あるいは強化学習の実機検証台である。
G1 — 拡張して研究に使う
G1の特徴は自由度の幅で、標準23に対しEDUは最大43まで拡張できる[1]。 腰と手を足していく構成で、器用ハンドDex3-1は片手7自由度[1]。 腕の可搬は約2〜3kg[1]で、これは日用品の操作研究には足りるが、 工場の部品搬送には足りない。稼働2時間[1]という値も、 データ収集セッションを回す前提の設計だと分かる。
G2 — 工場に置いて24時間動かす
G2で最も重要な仕様は、二足を捨てて車輪にしたことだ[3]。 歩行制御という最も難しく最も壊れやすい部分を外し、残りの資源を腕の力制御に振っている。 全腕の関節トルクセンサと亜ミリ精度の組付け[3,4]、 100%車載グレード部品とIP42[4]、 デュアル電池のホットスワップと自動充電による24時間ライン稼働[3]。 すべて「止まらないこと」への投資である。搭載するJetson Thor T5000は2,070 TFLOPS[3]で、 大きなVLAをオンボードで回すことを前提にしている。
この3機種を並べて分かるのは、2025〜26年のヒューマノイドが「歩行」と「作業」に分岐したことだ。 R1とG1は歩行を研究するための機体で、腕は補助的。G2は作業のための機体で、歩行を放棄している。 両方を同時に高い水準で満たした量産機は、公式仕様を見るかぎりまだない。
調達の観点では、判断はかなり単純になる。学習データの収集や制御研究ならR1かG1で、 差は拡張性(23〜43自由度)と稼働時間。工程に入れて歩留まりを問われるならG2のような車輪型の業務機、 ただし価格は個別見積で、桁がひとつ以上変わる。 「二足歩行のヒューマノイドを工場に入れる」という構成は、公表仕様の範囲ではまだ選択肢に上がってこない。
機種別の登録情報はUnitree G1・Unitree R1、 メーカー情報はUnitree・AgiBotの各ページにまとめている。
出典
- 1.Unitree G1 製品仕様ページ — Unitree Robotics一次情報
- 2.Unitree R1 製品仕様ページ — Unitree Robotics一次情報
- 3.智元精霊G2 発表・製品情報 — 智元創新(AgiBot)、2025-10-16一次情報
- 4.智元精霊G2 製品ページ(工業級・IP42・亜ミリ精度) — 智元創新(AgiBot)一次情報
- 5.G2 by AgiBot: Specs, Price & Status — Humanoid Index(集約サイト。推定値を含むと自ら明記)
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