何が起きたか
欧州の研究チームが、ゾウの鼻の動きと皮膚の構造を分析し、ロボット工学への応用を目指す研究結果を発表した。研究成果は学術誌『Current Biology』に掲載され、ゾウの鼻がロボットのモデルとなり得るとしている。
詳細
ジュネーブ大学遺伝学・進化学部のミシェル・ミリンコビッチ教授らの研究チームは、2頭のアフリカゾウの鼻に反射マーカーを取り付け、赤外線カメラで3次元の動きを記録した。その結果、ゾウは約20の動きを組み合わせて鼻を動かしていることが分かった。ミリンコビッチ教授は「ゾウは単純な動きのツールキットを持ち、それらを組み合わせて複雑な軌道を生み出している」と説明する。チームはこの知識を基に、2022年までに多様な把持が可能なロボットアームのプロトタイプを完成させる計画だ。 一方、イタリア工科大学(IIT)のルチア・ベッカイ氏らのチームは、2020年にスイスの動物園で自然死したアジアゾウの鼻の皮膚を研究した。皮膚は上部と下部で性質が異なり、上部は下部に比べて3倍以上硬く、厚く粗いことが分かった。上部は保護、下部は繊細な感触を担っており、この構造がロボットの設計に役立つとしている。
Key Facts
| ゾウの鼻には約4万の筋肉が含まれる(人間の全身の筋肉は600以上) | [1] |
| 研究結果は学術誌『Current Biology』に掲載された | [1] |
| ジュネーブ大学のミシェル・ミリンコビッチ教授が研究を主導 | [1] |
| 研究チームは2頭のアフリカゾウの鼻に反射マーカーを取り付け、赤外線カメラで3次元の動きを記録した | [1] |
| ゾウは約20の動きを組み合わせて鼻を動かす | [1] |
| 研究チームは2022年までに多様な把持が可能なロボットアームのプロトタイプを完成させる計画 | [1] |
| イタリア工科大学(IIT)のルチア・ベッカイ氏が皮膚の研究を主導 | [2] |
| 研究対象は2020年にスイスの動物園で自然死したアジアゾウの鼻 | [2] |
| 鼻の上部の皮膚は下部に比べて3倍以上硬く、厚く粗い | [2] |
なぜ重要か
ゾウの鼻は強靭さと繊細さを兼ね備えた器官であり、その構造や動きの原理を解明することで、従来のロボットが苦手とする多様なタスクに対応できる柔軟なロボットの開発につながる可能性がある。