何が起きたか
産業用ロボットの企画から納品までを手がける高丸工業株式会社(本社:兵庫県西宮市、代表:高丸正)は、一般的なPCで「どこでも・誰でも・簡単に」操作できる溶接ロボットシステム『WELDEMOTO』を2024年に開発した。7月3日に株式会社宝角合金製作所(本社:兵庫県姫路市)に本格導入され、国内で初めて本格的な稼働が始まった。
詳細
高丸工業は、産業用ロボットはメーカーごとに操作パネルが異なり取り扱いが難しく、国内でロボットを扱える人材は1万人に1人と言われていると説明する。また、日本の大手企業では海外工場の産業用ロボットを操作するために作業者が現地へ赴くケースがあり、「使いづらい」「現地対応が必須」といった変革の声があったという。 この課題を解決するため、高丸工業の後継者である高丸泰幸氏が開発に着手。現社長の夢だった「誰でも・どこでも使えるロボット」を実現しようと、PCひとつで海外や在宅勤務からでも工場内の溶接作業を行えるシステムを開発した。開発開始から5年を経て、2024年7月に国内初導入が実現した。 導入先の宝角合金製作所は1929年創業の精密加工企業で、溶接工の確保や育成の難しさに課題を抱えていた。顧客からの溶接相談は年々増加し、外注依存度が高まっていたという。産業用ロボットの導入も検討したが、操作の難しさや教育時間から躊躇していたところ、WELDEMOTOを知り「多くの従業員が簡単に対応できる」と判断し、導入を決定した。 7月3日の設備導入により、外注に頼っていた溶接工程の内製化に成功。さらに、求人を「溶接工」から「溶接ロボットオペレーター」に変更したところ、すぐに採用につながり、人材の幅も広がった。今後は熟練職人の溶接技術を数値データとして蓄積し、技術継承や教育に活用する計画だ。 開発を主導したのは高丸工業の後継者、導入を決めたのは宝角合金製作所の後継者・宝角拓哉氏で、関西地域ではアトツギによる事業共創が活性化しているという。高丸工業は、WELDEMOTOにより「主婦や車椅子の方でも」モノづくりに参加でき、誰もが自由に働ける未来を目指すとしている。
Key Facts
| 高丸工業株式会社は兵庫県西宮市に本社を置き、産業用ロボットシステムの開発・製造を手がける。 | [0] |
| 溶接ロボットシステム『WELDEMOTO』は2024年に開発された。 | [0] |
| 株式会社宝角合金製作所は兵庫県姫路市飾磨区中島1345-2に所在し、1929年創業の精密加工企業である。 | [0] |
| 宝角合金製作所は2024年7月3日にWELDEMOTOを本格導入し、国内で初めて本格稼働を開始した。 | [0] |
| 国内でロボットを扱える人材は1万人に1人と言われている。 | [0] |
| 高丸工業の後継者・高丸泰幸氏がWELDEMOTOの開発に着手した。 | [0] |
| 宝角合金製作所は溶接工の確保・育成の難しさから外注依存度が高まっていた。 | [0] |
| 宝角合金製作所は求人を「溶接工」から「溶接ロボットオペレーター」に変更し、すぐに採用につながった。 | [0] |
| 宝角合金製作所の後継者・宝角拓哉氏が導入を決定した。 | [0] |
| 高丸工業はWELDEMOTOにより、主婦や車椅子の方でもモノづくりに参加できる社会を目指すとしている。 | [0] |
なぜ重要か
本件は、産業用ロボットの操作難易度という長年の課題に対し、PCベースの遠隔操作という新たなアプローチで解決を試みる事例である。また、溶接工不足に悩む中小企業が内製化と人材採用の両面で効果を得た点で、製造業のDX推進における一つのモデルケースとなり得る。