何が起きたか
ifr.orgは2026年10月22日、工場で稼働する産業用ロボットの世界台数について報じた。
本紙の見方
世界の稼働台数が500万台に達したことは、工場に導入済みのロボットが累積していくストックの規模を示す。一方、2025年の新規設置は60万台を超え、前年比11%増だった。稼働ストックの前年比9%増とは指標の対象が異なるため、両者を同じ需要の尺度として扱うことはできない。設備の普及状況を見るには稼働台数、新規需要を見るには年間設置数を使い分ける必要がある。 地域別には、中国が2025年の新規設置の59%を占め、設置台数は35万4,000台だった。中国では国内メーカーの設置が19万5,000台で、国内市場の55%を占めたという。世界の設置需要における中国の比重と、中国国内でのメーカー構成は別の論点であり、単に中国の導入増だけから供給企業の競争力を評価することはできない。市場の構造を読むには、設置先の産業別内訳や機種、稼働後の保守・更新の状況も必要になるが、提示された情報からは確認できない。 日本については、2025年の設置台数が3万6,219台で前年比19%減となり、世界の市場順位も2位から米国に次ぐ3位へ移った。これは国内で新たに導入された台数の動きを示すが、既存設備の稼働状況や国内メーカーの海外販売を示す数字ではない。したがって、日本のロボット産業全体の競争力が同じ割合で低下したと読むことはできず、需要の減少がどの産業・用途に集中したかを分けて確認すべきだ。IFRの集計は世界規模と地域差を把握する材料になる一方、個別企業の受注や設備投資の理由までは示さない。詳細は原典を参照されたい。
なぜ重要か
IFRの集計では、2025年の新規設置に占める中国の割合は59%である一方、日本の設置台数は前年比19%減だった。工場の自動化需要を地域別に評価する際、世界の稼働ストックの増加だけでなく、新規導入がどの市場で起きているかを分けて見る必要がある。
日本への影響
日本の2025年の産業用ロボット設置は3万6,219台で、前年比19%減となり、世界順位は3位だった。国内の導入需要を評価するうえでは、総数の減少に加え、どの産業・用途で設置が減ったかの確認が必要だが、提示された情報にはその内訳はない。