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マップ更新 2026/08/199

2026年フィジカルAI資金調達マップ

ソフトウェア専業に14億ドル、ハード統合型は390億ドルの評価額、中国勢はIPOへ。2026年に確定した大型ディールだけを地図にする。

2026年のフィジカルAI投資には、はっきりした三つの流れがある。 ロボットを作らないソフトウェア専業への巨額調達、ハードを自前で持つ企業の評価額の突出、 そして中国勢の資金調達手段が未公開株からIPOへ移ったこと。8月19日にはUnitreeが実際に上場した[10]。 確定した発表だけを地図にすると、日本の位置もはっきりする。

2026年の主要ディール

原則として企業の公式発表または一次資料で確認できたものを「確定」、 交渉中・関係者証言にとどまるものを「報道」として分けている。為替換算はしていない。

時期企業金額評価額リード投資家・備考確度
2026-01Skild AI
米・基盤モデル
約14億ドル140億ドル超ソフトバンクGがリード、NVIDIAのNVenturesが参加。Samsung・LG・Salesforce・Schneiderなど事業会社も。累計調達は20億ドル超[1,2]確定
2026-02Apptronik
米・ヒューマノイド
5.2億ドル(延長)約50億ドルシリーズAの延長で累計9.35億ドル超。B Capital・Google・Mercedes-Benz・PEAK6がリード、AT&T Ventures・John Deere・カタール投資庁が新規[3,4]確定
2026-03Physical Intelligence
米・基盤モデル
約10億ドル110億ドルFounders Fund・Lightspeedらと交渉中とBloombergが報道。本稿執筆時点でクローズの公表はない[7]報道
2026-08Unitree(宇樹科技)
中国・IPO
約61億元約610億元2026年8月19日に上場。公募価格150.80元に対し初値1,100元(+629.4%)、 一時約4,449億元まで上昇。2025年の売上は16.99億元[10]。 当初計画は42.02億元の調達だった[8,9]確定
2026-07AgiBot(智元機器人)
中国・IPO
400〜500億香港ドル香港上場の手続き開始を表明。主幹事・申請時期・調達規模は未開示で、評価額は投資家の想定として報じられたもの[11]報道
2026-04ugo
日本・業務ロボット
NTT西日本をリードに社会インフラ各社から調達し、累計40億円を突破[13]確定
2026-05アトム(ATOM)
日本・ヒューマノイド
30億円シードラウンド。ANRI・Beyond Next Ventures・ジャフコが共同リード[12]確定

評価額のスケール比較

390億ドル確定
140億ドル確定
110億ドル報道・交渉中
50億ドル確定

各社の直近評価額[5,1,7,4]。Physical Intelligenceは交渉中として報じられた水準で、確定額ではない。

三つの潮流

1. ロボットを作らない会社に、最も大きな金が入っている

Skild AIの14億ドル[1]とPhysical Intelligenceの交渉中の10億ドル[7]は、 いずれも自社でヒューマノイドを量産していない企業への投資である。 投資家が賭けているのは「知能の層を、誰のハードでも動くソフトとして売る」というモデルだ。 Skildのラウンドに、SoftBank・NVIDIAだけでなくSamsung・LG・Schneiderといった事業会社が並んでいること[1]は、 ハードを持つ側がモデルを外部調達する前提で動き始めていることを示している。

2. ハード統合型は、評価額の桁がひとつ上

一方でFigureの390億ドル[5]は、ソフト専業の最高値の3倍近い。 自社ロボットの量産・稼働・データ回収まで垂直統合できれば取り分が大きい、という見立てである。 Apptronikの約50億ドル[4]は、Mercedes-BenzやJohn Deereといった事業会社が 自社工場での利用を前提に出資している点で、性格がやや違う。

3. 中国勢は未公開株からIPOへ

Unitreeは2026年8月19日に科創板へ上場し約61億元を調達[10]、AgiBotは香港上場の手続きを開始した[11]。 これは資金調達の手段が変わったというだけでなく、財務諸表が第三者検証を経て公開されることを意味する。 推計と自己申告しかなかったこの産業に、初めて監査済みの数字が入ってくる。

日本はどの位置にいるか

日本国内では、2026年4〜6月期の新興企業の資金調達でフィジカルAIが最多分野となった[14]。 金額で見ると、国内最大級のMujinが2025年に362.3億円[15]、 設立半年のアトムがシードで30億円[12]、ugoが累計40億円[13]。 Skild AI一社の14億ドル[1]と比べると、桁が二つ違う。

ここから先は編集部の評価

この地図から読み取るべきことがひとつある。ソフトとハードのどちらに賭けるかで、投資家はまだ結論を出していない。 Figureに390億ドル、Skildに140億ドルという値付けは、両立しない二つの未来に同時に賭けている状態だ。 どちらが正しかったかは、2027年以降の稼働台数と稼働時間——現場で本当に使えるかどうか——で決まる。

なお、本紙は自動収集した資金調達データの自動公開を停止している。 金額・通貨・企業名の誤りが公開前に検出できなかったためで、 現在は本稿のように出典を人が確認したものだけを掲載している。

出典

  1. 1.Skild AI Raises $1.4B, Now Valued Over $14B Skild AI(Business Wire)、2026-01-14一次情報
  2. 2.Robotics software maker Skild AI hits $14B valuation TechCrunch、2026-01-14
  3. 3.Apptronik Closes Over $935 Million Series A with New $520 Million Extension Round Apptronik(GlobeNewswire)、2026-02-11一次情報
  4. 4.Humanoid robot startup Apptronik has now raised $935M at a $5B valuation TechCrunch、2026-02-11
  5. 5.Figure Exceeds $1B in Series C Funding at $39B Post-Money Valuation Figure(公式)、2025-09-16一次情報
  6. 6.Robotics Startup Physical Intelligence Valued at $5.6 Billion in New Funding Bloomberg、2025-11-20
  7. 7.AI Robotics Lab in Talks to Raise $1 Billion at $11 Billion Valuation Bloomberg、2026-03-27
  8. 8.Shanghai Stock Exchange to review Unitree Robotics IPO on June 1, with over 4.2 billion yuan fundraising plan 上海証券取引所、2026-05-26一次情報
  9. 9.Humanoid Robot Maker Unitree Advances Toward $618 Million Shanghai IPO Caixin Global、2026-06-02
  10. 10.中国ヒューマノイド「Unitree Robotics」が上場、初値629%高騰 時価総額は一時10兆円超に 36Kr Japan、2026-08-19
  11. 11.机器人公司智元称启动赴港上市流程 財新(Caixin)、2026-07-24
  12. 12.フィジカルAI×ヒューマノイド開発のアトム、シードラウンドで30億円調達 ロボスタ、2026-05-28
  13. 13.ugo、NTT西日本をリードに社会インフラ事業各社から資金調達 — 累計40億円突破 ugo(公式)、2026-04-15一次情報
  14. 14.新興企業の資金調達、4月〜6月はフィジカルAIが最多 日本経済新聞、2026-07
  15. 15.2025年に多額の資金調達をしたスタートアップ20社ランキング 東洋経済オンライン、2026-01-23
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