何が起きたか

globenewswire.comは2026年9月10日、「WeRide、Uber、AVOMOがスペインでレベル4の国家許可を取得」と報じた。本紙は一次情報を確認できていないため、詳細は原典を参照されたい。

本紙の見方

今回のポイントは、単なる実証開始ではなく、欧州で初めてとされる「国家レベル」のレベル4許可が出た点にある。都市単位や限定条件の許可ではなく、DGTのES-AV枠組みの下で国全体に適用される承認であるため、法制度上の前例を作った意味が大きい。一方で、走行の中身は20台による地図作成、ルート検証、運用準備であり、商用化そのものではなく、商用化に向けた前段階であることは明確だ。本紙の関連記事である Waymo、展開都市を14に拡大 週50万回規模の有料乗車体制 が示したのは、商用運行を都市ごとに積み上げていく拡大モデルである。これに対し今回のスペイン案件は、サービスの供給能力よりも、まず国家レベルの許可を取れるかが焦点になっている。言い換えれば、競争の主戦場が「台数をどれだけ走らせるか」から「どの制度で走らせるか」へ一段移っている構図だとみられる。構造面では、WeRideが車両と自動運転技術、Uberが配車の事業基盤、AVOMOが運行・保守を担う分業になっている。AVOMOが米国で約400台を運用してきた実績を持つことは、レベル4の論点が車両性能だけでなく、運行管理や車両整備の実務に及ぶことを示している。つまり今回の許可は、アルゴリズム単体ではなく、車両、運行、規制対応を束ねた実地のオペレーション能力が問われる案件である。未確定の論点は、商業ロボタクシーの開始時期、運行地域の拡大条件、20台からの増車計画、車内監督をいつまで続けるかである。さらに、DGTのES-AV枠組みの下で他の都市や他社にどう波及するかも確認が必要になる。

なぜ重要か

DGTが国家レベルのレベル4許可を出したことで、WeRideとUberはマドリードで公道上の準備走行を進められるようになった。商用化の前提である規制承認が先に整ったため、技術だけでなく制度対応を含む事業設計が競争条件になる。

日本への影響

日本企業にとっては、車両性能だけでなく、国レベルの許可枠組みの下で運行・保守を組み立てる必要がある点が示唆になる。配車、運行管理、車両保守を分けた今回の構造は、日本で自動運転サービスを詰める際にも、ソフトウェア開発だけでは足りないことを示している。