何が起きたか
ホンダは2026年11月3日、二輪車向け運転支援システム「Honda SENSING RIDE」を発表した。前後に搭載するミリ波レーダーで周囲を検知し、千鳥走行を含むグループ走行支援などを行う。2027年モデルの「CRF1150L Africa Twin Adventure Sports」から搭載車種を増やす。
詳細
システムは、二輪車の前後に設置したミリ波レーダーによる周囲の検知と、ライダーおよび車両の状態を踏まえた評価に基づき、通知、警告、操作支援を行う。機能には、先行車との車間を保つACC、渋滞時の停止・発進を支援する「ACC with Stop & Go」、グループ走行で適切な車間を保つ「Group Ride Assist」、死角に入った車両を知らせる「Blind Spot Information」などがある。 ホンダ独自の二輪車用DCTと組み合わせる場合、ACC with Stop & Goは自動停止から滑らかな発進までを支援する。ホンダは、各機能には認識・制御能力の限界があり、道路・天候・車両の状態などによって作動しない場合や意図した通りに機能しない場合があるとしている。
Key Facts
| ホンダは2026年11月3日に「Honda SENSING RIDE」を発表した。 | [1] |
| システムは二輪車の前後に搭載するミリ波レーダーを使い、周囲を検知する。 | [1] |
| 2027年モデルの「CRF1150L Africa Twin Adventure Sports」から搭載車種を増やす。 | [1] |
| 機能には、千鳥走行を含むグループ走行で車間を保つ「Group Ride Assist」が含まれる。 | [1] |
| ホンダは、2030年までに二輪車と四輪車の販売1万台当たりの交通事故死者数を2020年比で50%削減し、2050年に交通事故死者ゼロを目指すとしている。 | [1] |
本紙の見方
この発表の焦点は、四輪車向け運転支援の単純な転用ではなく、二輪車の運転状態と走行形態に合わせた支援機能を組み込んだ点にある。前後のミリ波レーダーで周囲を捉え、ライダーと車両の状態も評価する構成は、単一の障害物検知にとどまらず、先行車との距離や後方・側方の接近、集団内の位置関係を支援対象にする。ただし、発表内容は運転支援であり、車両がライダーに代わって運転を完結する自動運転を示すものではない。 二つ目の特徴は、システム単体ではなくDCTとの組み合わせを前提に、停止・発進を含む支援を説明していることだ。ACC with Stop & Goは先行車との距離維持に加え、停止後の発進までを支援するとされ、変速機構も支援の成立に関係する。つまり、機能の評価はレーダーの検知性能だけでなく、車両側の制御や変速との連携を含めて見る必要がある。一方、2027年モデルの「CRF1150L Africa Twin Adventure Sports」から搭載車種を増やすという説明は、まず特定モデルを起点にする計画であり、二輪車全般への一括展開を意味しない。 三つ目は、千鳥走行を含むグループ走行支援を独立した機能として掲げた点である。車間維持を単独走行時の先行車追従だけでなく、複数台が隊列を組む状況に適用する設計であり、二輪車特有の利用場面を想定した機能と読める。ただし、どの速度域や道路条件で使えるか、隊列内の車両をどう識別するかは発表資料からは確認できず、実際の利用条件が判断材料になる。 ホンダは2030年までに二輪車と四輪車の販売1万台当たりの交通事故死者数を2020年比で50%削減し、2050年に交通事故死者ゼロを目指すとしている。今回のシステムはその安全施策の一つとして説明されているが、目標達成への寄与や機能別の効果は示されていない。今後は、搭載車種の拡大時期と地域、各支援機能の作動条件、停止・発進やグループ走行時の安全上の制約、実走行での効果を確認する必要がある。
なぜ重要か
ホンダの発表では、二輪車の前後に設けたレーダーを使い、死角情報やグループ走行時の車間維持も支援対象にしている。二輪車の運転支援を先行車追従だけで捉えず、集団走行などの状況に対応させる設計だが、機能の限界や作動条件を踏まえた利用が必要となる。