何が起きたか
REKIは2026年10月15日、2.4Bのvision-language-action model(VLA)として公開された。公開データのみで事前学習され、LIBERO-Plus、RoboTwin Clean2Rand、RoboCasa365では、同規模の約2倍の大きさのモデルにのみ上回られる性能だったとしている。モデルはVLMの後段にflow-matchingのaction expertを置き、さらに最近の出力を保持する記憶機構を備える。
詳細
REKIの記憶機構は、action expert内の少数のregister tokenが各フレームでVLMの出力を要約し、その内容をexpertのcacheに保持する方式である。これにより、シミュレーションと実機の両方で成功率が改善し、姿勢の振動は約4分の1の頻度になったとしている。 研究チームは、データキュレーション、訓練、推論、評価、デプロイ、事前学習済みおよびファインチューニング済みの重みまで含めた全コードを公開した。REKIは、学習時と推論時の効率を重視した簡潔なモデル設計と訓練手法に最適化したとしている。
Key Facts
| REKIは2.4Bのvision-language-action model(VLA)である。 | [1] |
| 公開データのみで事前学習された。 | [1] |
| LIBERO-Plus、RoboTwin Clean2Rand、RoboCasa365で、同規模の約2倍の大きさのモデルにのみ上回られる性能だったとしている。 | [1] |
| VLMの後段にflow-matching action expertを置く構成である。 | [1] |
| データキュレーション、訓練、推論、評価、デプロイ、重みまで含むコード一式を公開した。 | [1] |
本紙の見方
REKIの新規性は、単に2.4Bという比較的小さなVLAを出した点ではなく、公開データのみで学習しながら、性能とモデルサイズの関係で「約2倍大きいモデルにしか負けない」位置を狙った点にある。モデル本体はVLMとflow-matchingのaction expertという比較的素直な二段構成だが、そこにregister tokenによる短期記憶を重ね、最近の文脈をcacheに残す設計で実機の不安定さを抑えた、という整理になる。つまり主役は巨大化ではなく、入力の理解、行動生成、短期記憶をどう接続するかである。 本紙の見方では、これは「新しい学習データの囲い込み」よりも「公開データの寄せ集めを、どこまで実運用に耐える形へ整流できるか」という設計競争に近い。REKIは全コードと重みを公開しており、少なくとも再現性と評価可能性を前面に出している。一方で、公開されたのは性能指標と構成であり、どのデータ配合が寄与したのか、どのタスクで失敗が残るのかは本文からは読み切れない。ここは、同じ2.4B級のVLAでも学習データの質と記憶機構の有無でどこまで差が出るかを見極める材料になる。 業界構造としては、重みの公開が研究・実装双方の参照点になりやすい一方、勝負所はモデル規模そのものから、データキュレーション、行動表現、推論効率の組み合わせへ移る可能性がある。特に、姿勢の振動が約4分の1になったという記述は、単発の成功率だけでなく、連続制御の安定性が実装上の評価軸になることを示す。今後確認すべき論点は、2.4Bという規模がどの実機条件まで通用するのか、記憶機構が長い操作系列でどこまで効くのか、そして公開コードで再現した場合に同等の結果が出るかである。
なぜ重要か
REKIは、公開データのみで学習した2.4BのVLAが、実機を含む評価で上位性能を示しうることを示した点に意味がある。研究者やロボット実装側にとっては、巨大モデルの専有よりも、公開データ・記憶機構・効率化設計の組み合わせが再現可能な出発点になりうる。
日本への影響
日本では、ロボットの実機評価やデータ整備を担う研究機関・企業にとって、公開データのみで事前学習したVLAと記憶機構の組み合わせは参照点になりうる。特に、連続制御の安定性や再現性を重視する開発では、モデル規模よりもデータキュレーションと短期記憶の設計が論点になる。