何が起きたか
ヤマハ発動機は2026年11月3日、EICMA 2026で電動スポーツスクーター「NMAX E」を発表し、2027年春に欧州で発売するとした。125cc相当のA1クラス車で、最高出力7.5kW(3500rpm)、最大トルク33.3Nm(500rpm)のeアクスルを搭載する。新開発の3.5kWhリチウムイオン電池を採用し、バッテリー温度25度・WMTC1モードでの航続距離は104kmとしている。
本紙の見方
この車両の特徴は、既存のスクーター名を電動化したことだけではなく、A1 EV専用プラットフォーム、eアクスル、電池、充電器を一つの製品として示した点にある。エンジン車の駆動系を置き換えるだけでなく、車体設計も電動用に組み直した構成と読める。ただし、報道された仕様からは、電動化による価格や維持費の優位性までは判断できない。 航続距離104kmは、バッテリー温度25度、WMTC1モードという条件付きの数値である。したがって、この値だけで日常の利用可能距離を評価することはできず、実走行条件による差が購入判断に関わる。充電についても800Wの車載器を標準とし、200Vで約5.5時間という仕様は、充電設備の出力や車両を使わない時間との組み合わせで利便性が変わる。ACタイプ2の公共充電器と家庭用コンセントの双方に対応するという記載は充電方法の選択肢を示すが、充電環境ごとの所要時間は本文からは確認できない。 電池をL字型に配置し、重心を低く保ちながら前後重量配分を約50対50に近づけたとの説明は、電池搭載が車体の扱いやすさにどう影響するかを設計上の論点としている。IP67相当の防塵・防水性能やBMSによる電圧・電流・温度の監視も示されたが、これらは公表仕様であり、実際の耐久性や使用環境での挙動を検証した結果ではない。報道本文には販売価格や車両重量の記載がなく、欧州での具体的な販売条件も示されていない。次に見るべきなのは、価格、実走行時の航続距離、充電条件ごとの所要時間が、発売時にどのように提示されるかである。
なぜ重要か
欧州で125cc相当のスクーターを検討する利用者にとって、NMAX Eは航続距離104kmという条件付きの数値と、満充電に約5.5時間かかる充電仕様を併せて判断する車両となる。ヤマハ発動機が示した充電方式は公共充電器と家庭用コンセントの双方を含むが、実際の使い勝手は利用環境や走行条件に左右される。