何が起きたか

先進モビリティは、静岡県富士市の令和8年度「自動運転バス実証運行」に参画し、2026年11月6日に運行を開始した。実施期間は11月15日までで、平日は新富士駅―富士駅間の片道約2.0km、土日は同区間に加えて新富士駅―田子の浦港間の片道約3.0kmを運行する。富士市は自動運転レベル4の許認可取得を目指しているが、今回の運行はレベル2で行う。

詳細

先進モビリティは、自動運転システムを搭載した車両の提供と実証運行の技術支援を担う。同社の発表によると、信号連携を取り入れた運行で、交通量の多い駅周辺の市街地を走行し、技術・運用面を検証する。 運賃は無料で事前予約制。平日は1日6便、土日は1日4便を運行する。月曜日は運休。富士市は2026年4月に「富士市自動運転バス導入ロードマップ」を策定し、行政機関、交通事業者、モビリティベンダーなどで構成する協議会でレベル4の許認可取得に向けた取り組みを進めている。

Key Facts

実証運行は2026年11月6日から11月15日まで実施する。[1]
平日は新富士駅―富士駅間の片道約2.0km、土日は新富士駅―田子の浦港間の片道約3.0kmの区間も運行する。[1]
今回の運行は信号連携などを取り入れた自動運転レベル2で行う。[1]
先進モビリティは自動運転システムを搭載した車両の提供と実証運行の技術支援を担当する。[1]
運賃は無料で事前予約制。平日は1日6便、土日は1日4便を運行する。[1]

本紙の見方

今回の実証の要点は、レベル4の社会実装を目標に掲げながら、運行そのものはレベル2とし、信号連携を含む技術・運用の検証を市街地で行う段階設計にある。新富士駅と富士駅を結ぶ平日の片道約2.0kmに、土日の片道約3.0kmの田子の浦港方面を加え、駅間アクセスと異なる区間を組み合わせている。一方、運行は無料・予約制で、平日6便、土日4便。定常的な公共交通サービスの提供ではなく、期間を区切った実証として読む必要がある。 本紙の関連記事では、楽天モバイル、佐賀市の自動運転レベル4実証に参画が2026年8月15日に掲載されている。富士市の取り組みは、レベル4を目指す地域の実装過程において、現在の運行段階をレベル2と明示している点が具体的だ。両地域を同じ技術段階とみなすことはできず、許認可の状況や運行条件を分けて追う必要がある。また、国交省、自動運転関連予算を概算要求は2026年9月5日掲載で、令和9年度予算の概算要求に自動運転社会の実現に向けた施策が盛り込まれたとする。富士市の実証は地域での運行検証であり、概算要求は国の施策段階であるため、両者の接続や予算の適用関係は資料から確認できない。 事業の構造としては、自治体が導入ロードマップと協議会を設け、先進モビリティが車両と技術支援を担い、信号連携を含む走行・運用を検証する形が示されている。交通量の多い駅周辺を走行環境に含めた点は、限定的な走行区間での確認にとどまらず、市街地での運用条件を扱う実証と位置づけられる。ただし、発表資料は信号連携の方式や、介入・停止など安全運用の実績を示していない。レベル4への移行を評価するには、今回の走行結果に加え、許認可に必要な条件、運行時の安全実績、車両数、実証後の運行体制や費用負担を確認する必要がある。

なぜ重要か

富士市の運行は、新幹線駅と在来線駅を結ぶ区間を含み、信号連携を取り入れた自動運転レベル2として実施される。レベル4を目指す同市にとって、今回の実証で確認する技術・運用上の成果と、許認可取得までに必要な条件を区別して把握することが重要になる。