何が起きたか
36Krが2024年11月12日に報じたところによると、具身脳に特化する新興企業「千觉科技(Qianjue Technology)」が、数千万人民元規模の天使輪調達を完了した。
本紙の見方
36Krの報道によれば、千觉科技は具身脳(embodied brain)の開発に特化し、Physical Intelligenceをベンチマークとしている。この動きは、ロボット基盤モデルを巡る世界的な競争が、中国のスタートアップにも波及していることを示す。 本紙はこれまで、Physical Intelligenceの基盤モデル「π0.6」が実証段階で自律性を向上させていることや、Googleがロボット向け推論モデル「Gemini Robotics ER 2」を公開したこと、墨奇智能が具身モデルアーキテクチャ「MoRA」を発表したことなどを報じてきた。これらの動きは、ロボットの「頭脳」に当たる基盤モデルの開発が、米国と中国の双方で活発化していることを示している。 千觉科技がPhysical Intelligenceをベンチマークとするのは、同社がロボット基盤モデルの分野で先行しているためとみられる。Physical Intelligenceはπ0.6で実証を進め、精密操作向けオンライン強化学習「RLT」を公開するなど、技術的な蓄積を積んでいる。中国のスタートアップがこうした海外の先行企業を目標に据えることは、技術的なキャッチアップを図る上で自然な戦略と言える。 一方で、具身智能の分野では、TMTPostが指摘するように、ユニコーン企業が展示会の域を出ていないとの見方もある。千觉科技のような初期段階の企業が、実際に製品を量産し、市場で競争力を発揮できるかは未知数だ。 今回の報道は、天使輪調達の完了という事実のみを伝えており、調達額の詳細や出資元、今後の開発計画などは明らかにされていない。詳細は原典を参照されたい。今後の焦点は、千觉科技がどのような具身脳モデルを開発し、どのようなロボットに搭載するのか、そしてPhysical Intelligenceとの差別化をどう図るのかにある。
なぜ重要か
千觉科技の天使輪調達は、ロボット基盤モデル(具身脳)の開発競争が中国のスタートアップにも広がっていることを示す。Physical Intelligenceをベンチマークとする動きは、同分野の技術的ハードルの高さと、キャッチアップを目指す企業の増加を浮き彫りにする。