何が起きたか
墨奇智能は、具身智能モデルアーキテクチャ「MoRA」を発表し、Agentic-Native技術路線を提唱した。同社は投後評価額70億元超、7月に10億元超の天使輪調達を完了している。WRC 2026では、MoRAを搭載した輪式ロボット「MORPHI KINO」が15分間の家庭長程タスクを実演した。
本紙の見方
墨奇智能のMoRAは、具身智能分野における長程実行の課題に取り組む新たなアーキテクチャとして注目される。同社は、従来の階層的二重システム(System 2とSystem 1)の境界を再定義し、Agentic能力を戦略モデルに組み込むことで、目標維持・記憶・進捗管理を物理世界との相互作用層に委ねる。このアプローチは、長いタスクチェーンにおける連続性の欠如という業界共通の課題に対する一つの回答である。 本紙の過去報道では、テレイグジスタンス、エヌビディア主導のフィジカルAI枠組みに参画 コンビニ店員ロボ開発や原力无限、総額約10億元のAラウンド調達 具身知能の「脳」に特化、Egoデータ基盤を強化など、具身智能の「脳」に特化する企業の動きを報じてきた。墨奇も同様に「脳」に焦点を当てるが、その独自性はAgentic-Nativeという技術路線にある。 業界構造への含意として、墨奇のMoRAは、戦略モデルと認知モデルの役割分担を変えることで、ロボットの長程実行能力を向上させる可能性がある。これは、単一動作のデモから連続タスクへの移行を目指す業界の流れに沿ったものであり、特に家庭用ロボットの実用化に向けた重要なステップとなる。 未確定の論点としては、MoRAの実運用における性能、特に15分間のタスクを超える長時間の実行や、より複雑な環境での安定性が挙げられる。また、同社の技術が他の具身智能企業と比較してどの程度優位性を持つかは、今後のベンチマークや実証データの公開が待たれる。詳細は原典を参照されたい。
なぜ重要か
墨奇智能のMoRAは、具身智能の長程実行という核心的な課題に対する新たな技術的アプローチを示すものであり、家庭用ロボットの実用化に向けた進展を象徴する。同社の動きは、具身智能分野における「脳」の重要性を再確認させるとともに、業界の競争軸が単一動作から連続タスクへと移行していることを示している。