何が起きたか
RoboSense Technology(証券コード: 2498.HK)は2026年3月25日、2025年第4四半期および通期の業績を発表した。第4四半期の純利益は約1億400万元(RMB 104 million)で、創業以来初の四半期黒字を達成。ロボティクス向けLiDARの四半期出荷は約22万1200台で、前年同期比2565.1%増、前期比523.1%増となった。2025年通年のLiDAR総出荷は約91万2000台(前年比67.6%増)、売上高は約19億4000万元、粗利率は26.5%に達した。ロボティクス事業の通年出荷は約30万3000台で、同社は世界首位と主張している。
詳細
2025年第4四半期の売上高は約7億5100万元(前年同期比46.1%増)、営業利益は約1億3000万元、純利益は約1億400万元。ロボティクス事業の四半期売上は3億4700万元で、製品売上高全体の約49.0%を占めた。通年では、LiDAR総出荷約91万2000台(前年比67.6%増)、売上高約19億4000万元、粗利益約5億1400万元(前年比81.3%増)、粗利率26.5%。ロボティクス分野では、ロボット芝刈り機、自律配送ロボット、ヒューマノイドロボット、具現化AI、商業用清掃ロボットの主要セグメントで首位を獲得したとし、商業用清掃ロボットでは市場シェア71%(Yanzhi Robotの調査データ)としている。また、具現化AIロボティクスではAgibot、Unitree、EngineAI、Galbotなど約50社と提携。2025年末までに初の具現化知能ソリューションを展開した。同社は2026年に年産400万台の生産能力拡大を計画している。
Key Facts
| 2025年第4四半期の純利益は約1億400万元で、創業以来初の四半期黒字を達成した。 | 出典一覧 |
| ロボティクス向けLiDARの第4四半期出荷は約22万1200台で、前年同期比2565.1%増、前期比523.1%増。 | 出典一覧 |
| 2025年通年のLiDAR総出荷は約91万2000台(前年比67.6%増)、売上高は約19億4000万元、粗利率は26.5%。 | 出典一覧 |
| ロボティクス分野の2025年通年出荷は約30万3000台で、同社は世界首位と主張。 | 出典一覧 |
| 2026年に年産400万台の生産能力拡大を計画。 | 出典一覧 |
本紙の見方
RoboSenseの2025年第4四半期の黒字化は、同社の事業構造が転換点を迎えたことを示す。売上高の約49%をロボティクス事業が占めるに至り、従来のADAS中心の収益構造から、ロボティクスとADASの二輪駆動へとシフトした。特にロボティクス向けLiDARの四半期出荷が前年同期比2565.1%増という数字は、同市場が急拡大していることを裏付けるが、同時に低基数からの成長である点には留意が必要だ。 同社の強みは、自社開発のSPAD-SoCと2D VCSELデジタルチップアーキテクチャに基づくデジタルLiDAR製品群(EM4、Airy、E1R、EMX、Fairy)にある。これにより、アナログ時代にはロボタクシー市場での獲得可能シェアが約10%だったのに対し、デジタル時代には世界の主要ロボタクシー・ロボトラック企業の90%超に拡大したとしている。この技術的優位性が、ロボティクス分野でのシェア拡大と黒字化の原動力となったとみられる。 一方で、同社の戦略は「LiDARをカメラのように遍在させる」というCEOのビジョンに象徴されるように、単なる部品供給から、ロボットの「目」と「手」を担う具現化知能ソリューションへの拡張を目指す。2025年末には初の具現化知能ソリューションを展開したとされるが、その詳細な内容や収益貢献は明らかでない。 今後の焦点は、2026年に計画する年産400万台の生産能力拡大が、実際の需要に適合するかどうかだ。特にロボティクス分野の成長が持続するか、またADAS分野での受注(累計167モデル、35社)が実際の量産に結びつくかが、収益性の持続を左右する。さらに、自社開発チップセットによるコスト低減がどの程度利益率に寄与するかも、今後の業績を占う上で重要な論点となる。
なぜ重要か
RoboSenseの黒字化は、LiDAR業界が単なる部品供給から、ロボティクスとADASを統合した「フィジカルAI」の中核コンポーネントとしての地位を確立しつつあることを示す。同社のデジタルLiDAR技術と量産能力は、ロボット産業全体の進化を加速させる可能性があり、その動向は自動運転やロボティクスに関わる企業にとって注視すべきものとなる。
日本への影響
RoboSenseのロボティクス向けLiDARの急成長は、日本のロボット産業にも影響を与える可能性がある。同社はロボット芝刈り機や自律配送ロボットなどで世界首位を獲得しており、日本のメーカーがこれらの分野で競争する場合、RoboSenseのデジタルLiDAR技術と量産能力が競争環境を変える可能性がある。特に、同社が商業用清掃ロボットで71%の市場シェアを持つとされる点は、日本の清掃ロボットメーカーにとって脅威となり得る。ただし、日本市場における具体的な影響は、現時点では明らかでない。