何が起きたか
Hy-Tek IntralogisticsとHai Roboticsは2026年10月15日、NAPA Auto Parts向けに次世代のフルフィルメント自動化を提供する戦略提携を発表した。対象はNAPAのflow center運営の転換で、Hy-Tekがシステム統合、Hai RoboticsがHaiPick Systemsの提供を担う。NAPAはこの取り組みについて、現在の運営に合う設計と、ネットワーク拡張にも対応できる柔軟性を重視したとしている。
詳細
Hy-Tekは、複数ロボットを用いるHai Roboticsのシステムで、SKUの多様性を統一的な自動保管・取り出しで扱う構成にしたと説明した。NAPAの運営目標に合わせ、高密度保管、スループット改善、注文精度向上、業務効率化、将来需要への拡張性を狙う設計だとしている。 Hy-Tekは設計初期段階で自社のInnovation Labを使い、実際の倉庫環境で技術評価を行った。NAPAはその検証を通じて、導入前に性能確認と設計の精査ができたとしている。
Key Facts
| Hy-Tek IntralogisticsとHai Roboticsは2026年10月15日、NAPA Auto Parts向けの次世代フルフィルメント自動化で提携した。 | [1] |
| Hy-Tekはシステムインテグレーターとして、複数ロボットのHai Roboticsシステムを用いる構成を設計した。 | [1] |
| 対象はNAPAのflow center運営の転換で、高密度保管、スループット向上、注文精度向上、拡張性を狙う。 | [1] |
| Hy-TekはInnovation Labで実環境評価を行い、導入前にシステム性能の検証を進めた。 | [1] |
| NAPA Auto Partsは米国でほぼ6,000店舗、18,000超のauto care centersを持つと説明した。 | [2] |
本紙の見方
今回のポイントは、単なる自動化機器の採用ではなく、Hy-Tekの統合設計、Hai RoboticsのAS/RS、NAPAの運用要件を一体で束ねた点にある。発表文は、複数ロボットのHaiPick Systemsを核に、SKUの多様性を統一的に扱う構成を前面に出しており、主役は機器単体ではなく、保管・取り出し・運用設計をつなぐ全体構成だと読める。 本紙の関連記事Hai Robotics、オランダにEMEAイノベーションセンターを開設と比べると、Hai Roboticsは研究・検証の拠点整備と個別案件の実装を並行させている構図が見える。今回はInnovation Labでの実環境評価が明示され、技術採用の前段に検証工程を置いた点が重要である。これは、倉庫自動化が製品導入から運用適合の確認へ重心を移していることを示す一方、同社が各案件で同じ技術をそのまま横展開するのではなく、現場条件に合わせて設計を調整していることも示している。 業界構造の観点では、この案件は倉庫自動化の競争軸が「ロボットの台数」だけでなく、SKUの多様性への対応力、既存ネットワークとの整合、導入前の検証環境に移っていることを示唆する。Hy-Tekがシステム統合を担い、Hai Roboticsが保管・取り出しの中核を供給する分業は、ハードウェア単体ではなく統合設計力が受注条件になることを意味する。NAPAが流通センター群と約800,000点の在庫群を持つと説明している点も、在庫の幅が広い事業ほど統一的な自動化設計が難しくなることを示す材料だ。 未確定の論点は、実際の導入台数、稼働開始時期、対象拠点数、どの工程まで自動化するか、そして運用後の処理能力や精度の実績である。発表文は高密度化や効率化の方向性を示すが、案件規模の定量値までは示していないため、次は実装後の運用成果が焦点になる。
なぜ重要か
NAPA Auto Partsは、米国でほぼ6,000店舗と18,000超のauto care centers、さらに約800,000点の在庫網を抱えるとしており、広い品目幅と拠点網を前提にした倉庫設計が必要だとみられる。Hy-Tekは実環境のInnovation Labで事前評価を行ったとしており、導入前の検証工程が採用判断の一部になっている点が重要である。
日本への影響
NAPAが採るような、システム統合とAS/RSを組み合わせた高密度・多SKU対応の倉庫自動化は、日本でも部品点数の多い流通・補修部材の現場で論点になりやすい。ただし、本件の発表には日本企業や日本拠点への直接的な言及はない。