何が起きたか

Butterfly Networkは9月初旬と10月初旬に、Merge LabsとBridge Neurotechの2社とそれぞれ多年期のライセンス契約を締結し、超音波技術プラットフォームを独占的に提供すると報じられた。報道は、超音波チップが脳機能インターフェースの中核供給網に入った例だとしている。あわせて、Merge Labsは年初にOpenAIとその創業者Sam Altman氏が個人として共同で主導した2億5200万ドルのシード調達を完了していたとされる。

本紙の見方

Butterfly Networkの動きで新しいのは、超音波技術を単なる周辺機器ではなく、脳機能インターフェースの中核供給網に差し込んだ点である。一方で、技術提供自体はライセンス契約の形で進んでおり、事業の重心は完成品の販売よりも、基盤技術の供給と権利設定にあると読める。報道が示すのは、脳機能インターフェースの競争が、侵襲・非侵襲の方式論だけでなく、どの計測基盤を押さえるかという供給網の競争に移っているという構図である。 本紙の関連記事 Butterfly Network、Bridge Neurotechと提携 では、Butterfly NetworkとBridge Neurotechの提携が個別に扱われていた。今回の報道では、同じBridge Neurotechに加えてMerge Labsも並び、Butterfly Networkが単発ではなく複数社に対して同種の供給関係を広げている点が見えてくる。つまり、前回は1件の提携として見えたものが、今回は超音波BCIをめぐる横展開の一部として位置づけ直される。逆に言えば、報道時点では各社の役割分担や、どこまで製品化に踏み込むのかはまだ見えない。 業界構造でみると、今回の焦点は計測ハードの供給者が、脳機能インターフェースの研究開発ルートに入ってきたことだ。OpenAIやSam Altman氏の名がMerge Labsの資金調達に結びつけて語られている以上、資本の関心は研究段階の技術にも向いているとみられる。ただし、報道はライセンス契約の存在を伝えるにとどまり、製品仕様、適用範囲、臨床・規制の段階は明らかでない。次に確認すべきなのは、各社の契約範囲、超音波プラットフォームの使い方、そして脳機能インターフェースとしてどの段階まで進んでいるかである。

なぜ重要か

Butterfly Networkが2社に同種のライセンスを広げたことは、脳機能インターフェースの開発で計測基盤の確保が重要になっていることを示す。Merge LabsについてはOpenAIとSam Altman氏が年初の2億5200万ドル調達に関与したとされ、資金と技術供給の接点ができている点が注目される。