何が起きたか
The Robot Reportが2026年9月21日、IACが9月3日にラグナセカで自動運転レースイベントを完了したと報じた。今回のイベントでは、IAC史上初めて自動運転レースカー同士の追い越しがロードコース上で行われたとされる。
本紙の見方
IACがラグナセカで行った今回のイベントで重要なのは、単なる周回速度の比較ではなく、ロードコース上での追い越しを競技として成立させた点である。IACは2022年以降、オーバルで6回の追い越し競技を実施してきたとされ、2025年には北米で初めてロードトラックでの自動運転レースを示していた。つまり今回は、その延長線上で追い越しという最難関の動作を実戦形式に近い条件で検証した段階とみられる。詳細な競技条件や各チームの成績は原典本文を参照されたい。 本紙の関連記事でいえば、9月21日掲載の启元機器人、Q1とT1を発売は、消費者向け人型ロボットの販売開始を伝えた。一方、Noetra、NVIDIAのGPU2万7500基を活用して「実世界モデル」構築へと日経クロステック報道 は、実世界データを集めて基盤モデルをつくる構想を報じている。今回のIACの焦点は販売や大規模計算基盤ではなく、実走環境での意思決定と追い越し動作そのものにある点で異なる。既報の2件が示すのは、フィジカルAIの競争軸が「モデルの大きさ」だけでなく、「どの環境で、どの行動を、どこまで安全に試せるか」に移っていることだと読める。 業界構造で見ると、今回のイベントはシミュレーション、走行データ、車両制御の3層をつなぐ実証の場として位置づけられる。IACがAV-24を供給し、大学側がAIドライバーを持ち込む形は、車両プラットフォームと制御ソフトを分けた構造だ。これは、車両を一から作る競争ではなく、既存のシャシー上で認識・判断・追い越し戦略を磨く競争に近い。今後確認すべき点は、1) 追い越し成功率と失敗条件、2) シミュレーションと実走の差分、3) 次回以降の開催地と競技ルールの変更である。
なぜ重要か
IACによると、今回のイベントはロードコース上での追い越しを含む自動運転レースだった。閉じた競技環境で追い越し判断を検証できるため、実車の自律走行で課題になりやすい認識・判断・安全停止の設計を比較しやすい。