何が起きたか

Rope Robotics社は、風力タービンの翼を点検・補修するロボット「BR-8」を公開した。EU資金提供プロジェクトWindTRRoの調整役マリアン・パドカー氏が、同ロボットの詳細を説明している。BR-8は従来のロープアクセス技術者による危険で高コストな作業を代替するという。

詳細

風力エネルギーはエネルギー革命を牽引しており、2020年には総設備容量が458TWに達し、電力需要の16%を供給した。風力タービンは空力効率と発電量向上のため大型化・高層化が進むが、翼が長くなるほど先端速度が増し、前縁の浸食率が高まる。パドカー氏は「翼が長いほど先端速度が速く、前縁の浸食率が高くなる」と指摘する。前縁浸食は翼の摩耗の主因で、空気中の微粒子、砂、雨滴、氷への曝露が前縁に小さな亀裂を生じさせ、コーティングを損傷し空力効率を低下させる。翼先端は時速200km以上で回転することもある。浸食された前縁は発電量を減らし、長期的には翼の基本構造を弱めるため、定期的なメンテナンスが重要だとパドカー氏は述べる。 現在の補修作業は、ナセルの外側に吊り下がる特別な訓練を受けたロープアクセス技術者によって行われており、危険で高コストだ。Rope Robotics社が公開したBR-8は、この危険で高コストな作業を引き受ける。BR-8は従来の方法よりもはるかに広い気象条件で信頼性高く翼のメンテナンスと補修を行う。ロボットが吊り上げられ適切に調整されると、損傷範囲を記録し、必要な補修工程を定義する。ソフトウェアが最適な速度での補修計画と実行を保証する。BR-8は背中に搭載した様々なツールを切り替えて、サンディング、洗浄、表面への新コーティング塗布などの補修工程を実施する。この最終工程は前縁保護と呼ばれ、翼形状の再構築に役立つ。サンディングは塗料が付着するよう翼表面を十分に粗くするために重要で、表面はイソプロピルアルコールで洗浄され、残留するほこり、グリース、水分を除去する。補修時間を短縮するため、充填材と塗料を1工程で塗布する新しい前縁コーティングも開発された。全工程は徹底的に記録される。 BR-8は遠隔操作され、手作業はロープの取り付け、ロボットの接続、起動ボタンを押して翼にロボットを乗せること、そしてスキャン画像の品質管理だけだ。パドカー氏は「人間の入力を必要とせずロボットを操作するため、ロボットと翼端との距離と角度を測定する方法を教えた。古典的なコンピュータビジョン手法により、ほぼ完璧な距離予測を達成し、手動での翼位置調整の必要性も排除した」と説明する。Rope Robotics社は風力タービンメンテナンスを行うロボットの自動化とユーザーフレンドリー性を大幅に向上させ、安全手順や訓練手順を含む完全な運用セットアップを定義し、付属機器を統合し、技術の商業化に向けたマーケティングとコミュニケーション活動を調整した。パドカー氏は「当社のBR-8ロボットは、風力タービン業界全体のための最先端の翼補修・点検サービスの新基準を打ち立てる」と結論付けた。

Key Facts

Rope Robotics社は風力タービン翼の点検・補修ロボット「BR-8」を公開した。[0]
BR-8はEU資金提供プロジェクトWindTRRoの一環として開発された。[0]
2020年の総風力発電設備容量は458TWで、電力需要の16%を供給した。[0]
翼先端は時速200km以上で回転することがある。[0]
BR-8はサンディング、洗浄、新コーティング塗布などの補修工程を実施する。[0]
洗浄にはイソプロピルアルコールが使用される。[0]
補修時間短縮のため、充填材と塗料を1工程で塗布する新しい前縁コーティングが開発された。[0]
BR-8は遠隔操作され、手作業はロープ取り付け、ロボット接続、起動ボタン押下、スキャン画像の品質管理のみ。[0]
ロボットはコンピュータビジョン手法により翼端との距離と角度を測定する。[0]
パドカー氏は「BR-8は風力タービン業界全体のための翼補修・点検サービスの新基準を打ち立てる」と述べた。[0]

なぜ重要か

風力タービンの大型化に伴い翼の前縁浸食が課題となる中、BR-8は危険で高コストなロープアクセス技術者による補修作業を代替する可能性を持つ。遠隔操作と自動化により、より広い気象条件で信頼性の高いメンテナンスを実現し、風力発電の運用効率向上に寄与すると期待される。