何が起きたか

leaderobot.comは2026年10月12日、「EPFL、糸状モーター「FiberMotor」を発表 軟体ロボット向けで直径1〜3ミリ」と報じた。本紙は一次情報を確認できていないため、詳細は原典を参照されたい。

本紙の見方

今回のニュースで新しいのは、モーターを「小型化」したことではなく、軟体ロボットの内部にそのまま入れやすい糸状の形にした点である。一方で、電気で動かすアクチュエーターを繊維構造に置き換える発想自体は、EPFLが以前に衣服へ液体を送る管状繊維を組み込んだ流れの延長にある。したがって、これは完全な断絶というより、繊維化・柔軟化の路線を運動部品にまで広げた例とみるのが自然である。<br><br>本紙の関連記事であるEPFL研究チーム、糸状モーターを発表は、この装置を「電気エネルギーを動きに変える」繊維として整理していた。今回はその具体的な構造と負荷性能が示されたため、論点は概念の新規性より、軟体ロボットの設計制約をどこまで崩せるかに移る。特に、1〜3ミリという寸法、75グラムの静止負荷、4本束で46グラムのチョコバーを持ち上げたという数値は、用途の幅を判断する材料になる。<br><br>構造面では、入力は電流、処理は静電力による繊維の相対移動、出力は曲げや持ち上げ動作である。硬いモーター、ギア、複雑な伝達機構を避けられるなら、柔らかい外装や衣服型デバイスとの相性は高いとみられる。一方で、今回は実験室テストの結果にとどまっており、連続動作、耐久性、応答速度、量産時のばらつきはまだ見えていない。詳細は原典を参照されたい。

なぜ重要か

EPFLが示したのは、軟体ロボットや可変形デバイスで障害になりやすい「剛体モーターをどう埋め込むか」という課題に対する別解である。1〜3ミリの繊維形状と、4本束で46グラムを持ち上げたという実験結果は、用途が機上の概念にとどまらないことを示す。