何が起きたか

EmotionX株式会社(本社:東京都港区、代表取締役CEO:吉水康人)は、株式会社スペースデータ(本社:東京都港区、代表取締役社長:佐藤航陽)と、防衛・安全保障分野における協業に関する協業覚書を締結した。両社は、EmotionXの完全準同型暗号(FHE)による「秘密暗号計算」技術と、スペースデータのフィジカルAI・デジタルツイン・シミュレーション技術を掛け合わせ、機密情報を復号(平文化)せずに分析・活用できる次世代のセキュアな情報基盤の構築に向けた検討を開始する。

詳細

EmotionXは、日本の半導体研究の中核を担うキオクシアの先端技術研究所における研究に基づく完全準同型暗号(FHE)技術を事業化する目的で設立されたスタートアップである。金融・ライフサイエンス・宇宙・半導体分野で秘密暗号計算基盤の提供を進めており、本協業覚書の締結は「世界最高水準の国産暗号技術を防衛・安全保障分野の情報基盤に実装していく第一歩」と同社は説明している。 完全準同型暗号(FHE)は、データを暗号化したまま復号せずに計算・分析できる「秘密暗号計算」の中でも最も秘匿性が高い方式とされ、量子コンピュータへの耐性を備えた次世代暗号技術として注目されている。同方式は秘匿性の高さと引き換えに、暗号文のデータ量が平文の数千~数万倍に達し、計算時間も数十万倍に増大することが実用化の壁とされてきたが、EmotionXはソフトウェアと専用半導体の統合開発でこの壁を突破し、従来約150分を要した秘密暗号計算処理を約10分へと短縮した。今後は回路線幅3~2ナノメートルの専用チップ開発により、数秒以下への短縮を目指す。関連研究の成果は2025年、米国電気電子学会(IEEE)の国際専門誌に論文として採択されている。 両社は本覚書に基づき、秘密暗号計算技術を活用した防衛・安全保障分野向けセキュアデータ分析基盤の共同検討、フィジカルAIやデジタルツイン・シミュレーションへの秘密暗号計算適用に関する技術実証、情報セキュリティ・秘密保護体制の高度化に向けた秘密暗号計算の適用、政府機関・防衛関連企業等に対する共同提案の検討を進める。EmotionXは、自社の秘密暗号計算技術をスペースデータの解析基盤と組み合わせ、防衛・安全保障分野における具体的なユースケースの検証に着手する。

Key Facts

EmotionX株式会社と株式会社スペースデータは、防衛・安全保障分野における協業覚書を締結した(2026年8月5日公表)。[0]
EmotionXの本社は東京都港区、代表取締役CEOは吉水康人。[0]
スペースデータの本社は東京都港区、代表取締役社長は佐藤航陽。[0]
両社は、EmotionXの完全準同型暗号(FHE)による「秘密暗号計算」技術と、スペースデータのフィジカルAI・デジタルツイン・シミュレーション技術を掛け合わせる。[0]
EmotionXは、キオクシアの先端技術研究所における研究に基づくFHE技術を事業化する目的で設立されたスタートアップ。[0]
EmotionXは、従来約150分を要した秘密暗号計算処理を約10分へと短縮した。[0]
EmotionXは、回路線幅3~2ナノメートルの専用チップ開発により、数秒以下への短縮を目指している。[0]
関連研究の成果は2025年、米国電気電子学会(IEEE)の国際専門誌に論文として採択された。[0]
協業の検討領域には、防衛・安全保障分野向けセキュアデータ分析基盤の共同検討、技術実証、情報セキュリティ高度化、政府機関・防衛関連企業等への共同提案が含まれる。[0]

なぜ重要か

本協業は、機密情報を復号せずに分析できる次世代のセキュアな情報基盤の構築を目指すものであり、防衛・安全保障分野におけるデータ利活用の新たな可能性を示す。EmotionXのFHE技術とスペースデータのデジタルツイン技術の組み合わせは、経済安全保障上の課題に対応する取り組みとして注目される。

日本への影響

両社とも東京都港区に本社を置く日本企業であり、国産の次世代暗号技術を防衛・安全保障分野に実装する取り組みとして、日本の安全保障と経済安全保障の強化に貢献することが期待される。