何が起きたか
智元創新(上海)科技股份有限公司は2026年9月28日、9月23日にマレーシア首相アンワル・イブラヒムが杭州で同社の創始者で董事会主席・CEOの邓泰華らと会談したと発表した。会談では、具身智能技術の発展、産業協力、人材育成エコシステムを巡って意見交換したとしている。智元はあわせて、マレーシアでI-Berhad、Mr. Robot、雲顶集団と進める取り組みを紹介した。
詳細
智元によると、I-Berhadとは海外初のAIロボット体験館「AI World」と「AI Living」プロジェクトを共同で進めている。Mr. Robotとは小売場景の展開案件、雲顶集団とは内容創作場景とロボットサービス場景の展開案件を進めているとしている。 同社は会談の中で、成立から3年余りで「全球出货数量最多」「收入规模最大」「発展速度最快」の具身智能企業になったと説明した。さらに、「三智一体」全栈架構を軸に、ロボット本体、運動、交互、作業の能力を組み合わせ、全系列製品を規模化部署へ進める方針を示した。
Key Facts
| 智元創新(上海)科技股份有限公司は2026年9月28日、9月23日にマレーシア首相アンワル・イブラヒムが杭州で同社の邓泰華らと会談したと発表した。 | [1] |
| 会談の議題は、具身智能技術の発展、産業協力、人材育成エコシステムだった。 | [1] |
| 智元はマレーシアでI-Berhadと海外初のAIロボット体験館「AI World」および「AI Living」プロジェクトを共同で進めているとした。 | [1] |
| 智元はMr. Robotと小売場景の展開案件を進めているとした。 | [1] |
| 智元は雲顶集団と内容創作場景およびロボットサービス場景の展開案件を進めているとした。 | [1] |
本紙の見方
今回の発表で新しいのは、智元がマレーシア政府トップとの会談を通じて、海外展開を単なる販売ではなく、体験館、零售、内容創作、ロボットサービスという複数の場面に分けて説明した点である。特に、I-Berhadとの「AI World」と「AI Living」、Mr. Robotとの小売、雲顶集団との内容創作とサービスは、実機導入だけでなく運用シナリオまで含めた展開であることを示す。一方で、これは同社がこれまで強調してきた「量産機を実世界で使う」という路線の延長でもある。 本紙の関連記事では、智元は9月9日以降、世界人形機器人運動会での実機の競技投入や、GE-Act 2.0、AGILE2.0感控一体模型、校招と産学連携基地の共建を相次いで公表していた。これらは研究成果や人材、データ基盤の強化を示す動きだったが、今回の会談はそれらを海外の実装案件へ接続する文脈が強い。智元創新、霊犀X2の金メダル獲得を解説 100米障害で全自主越障や智元創新、GE-Act 2.0を発表 300時間から3万時間で実機ゼロショットの能力差を検証が示したのは本体性能と学習能力であり、今回はその能力をマレーシアの具体的な利用場面に落とし込む段階に見える。 業界構造でみると、焦点はロボット本体の性能競争だけではなく、体験館、商業施設、小売、コンテンツ制作、サービス運用を束ねる導入設計にある。ここでは本体供給だけでなく、現場での展示・接客・運営に必要なソフト、運用手順、施設側の受け入れ体制が問われる。会談で安華首相が「AI服务全人類」と述べたことも踏まえると、マレーシア側が求めているのは単発の機器輸出ではなく、国内産業や人材育成と結びつく形の導入とみられる。未確定なのは、各案件の導入台数、稼働形態、投資規模、実際の運用開始時期であり、今回の発表ではそこまでは示されていない。
なぜ重要か
I-Berhad、Mr. Robot、雲顶集団との取り組みが、体験館、小売、内容創作、サービスという異なる場面に分かれて示されたことで、智元の海外展開は本体販売よりも運用モデルの移植が焦点になっているとみられる。マレーシア政府との会談が公表されたことで、事業は民間案件にとどまらず、産業政策や人材育成の文脈にも接続し始めている。