何が起きたか

Xpannerは2026年10月26日、実用規模の太陽光発電所と蓄電池設備(BESS)向け自動杭打ちシステム「X1 Piling R6」を発表した。Everstar R6のクローラーベースに同社の自動化機能を組み合わせ、杭の位置決め、移動、整列、打設を自動化する。計画を読み込んだ後、オペレーター1人が遠隔操作で監督する。

詳細

X1 Piling R6は高精度GNSSアンテナ・受信機、センサー、Xpanner開発の自動化コントローラーを使い、杭の位置と高さに合わせて打設する。Xpannerによると、前世代機に比べサイクル時間は45%短い。エンジンは97 kW(130 hp)、油圧ハンマーの打撃エネルギーは最大1,260 J(929 ft-lb)。杭は長さ最大23.0 ft(7.0 m)、最大打設深さ15.7 ft(4.8 m)に対応する。 ガイドレールは前後に11.8 in(300 mm)、左右に19.7 in(500 mm)移動し、上部旋回体は180度回転する。杭の計画と座標を読み込み、作業中は杭ごとの位置、深さ、垂直度を記録してXpanner Connectのプロジェクトマップに反映する。同システムは2026年10月26日にXpannerのサブスクリプションを通じて商用提供を開始すると発表された。ねじ込みと事前掘削は将来機能として示されている。

Key Facts

Xpannerは2026年10月26日、X1 Piling R6を発表した。[1]
X1 Piling R6はEverstar R6のクローラーベースとXpannerの自動化機能を組み合わせる。[1]
同社は前世代機よりサイクル時間が45%短いとしている。[1]
エンジン出力は97 kW(130 hp)、油圧ハンマーの打撃エネルギーは最大1,260 J(929 ft-lb)である。[1]
杭ごとの位置、深さ、垂直度を記録し、Xpanner Connectのライブプロジェクトマップに反映する。[1]

本紙の見方

この製品の要点は、杭打ち機そのものの自動化にとどまらず、測量・位置決め・打設後の記録を一つの作業サイクルにまとめた点にある。Xpannerの発表では、従来の杭打ちに2人の作業員と別途の測量、マーキング、準備作業が必要だったのに対し、X1 Piling R6は計画を読み込み、位置決めから打設までを自動化し、1人が遠隔で監督する構成だ。作業員の人数だけでなく、工程間で分かれていた情報をどこまで一連の運用に載せられるかが、製品価値を測る軸になる。 本紙は2025年8月28日付の記事で、Xpannerが建設現場向けPhysical AI自動化ソリューション「X1 Kit」を発表したことを伝えた。建設現場向けPhysical AI自動化ソリューション「X1 Kit」を発表。今回の機種では、Everstar R6というベースマシンに自動化スタックを搭載し、杭打ちという具体的な工程に展開している。さらに、杭ごとの位置・深さ・垂直度をプロジェクトマップへ記録するため、現場作業と進捗把握が同じシステム上で結びつく。ただし、記録データが機械の学習や制御改善に使われるとは発表されておらず、データの用途をそこまで広げて解釈することはできない。 同社は前世代機よりサイクル時間が45%短いと説明する一方、今回の発表にある数値は製品側の性能主張であり、現場条件をそろえた比較結果とは区別する必要がある。杭の長さ最大7.0 m、最大打設深さ4.8 m、ガイドレールの前後300 mm・左右500 mmの移動幅、上部旋回体の180度回転は、対象杭や設置位置への対応範囲を示す具体値だ。土質や杭仕様が異なる現場で、これらの能力が作業時間や段取りにどう反映されるかは別途検証が要る。 また、Xpanner Connectへの計画・座標の入力が自動化の入口となるため、現場での計画データの整備と機械の位置合わせが運用上の前提になるとみられる。商用提供は同社のサブスクリプションを通じて行うとされ、機械、X1自動化キット、ウェブ型ダッシュボード、現地支援を一つの契約に含める構成だ。ねじ込みと事前掘削は将来機能として記載されており、現時点の杭打ち機能と混同できない。今後確認すべきなのは、45%短縮の測定条件、現場ごとの稼働率、杭の種類・地盤条件による対応範囲、記録データの保存・利用方法、将来機能の提供時期である。

なぜ重要か

杭の位置決めから打設後の位置・深さ・垂直度の記録までを自動化し、1人が遠隔で監督する設計は、太陽光発電所やBESSの建設で杭打ち工程と進捗管理を一体で扱うものだ。Xpannerは前世代機比でサイクル時間が45%短いとしているが、適用現場での効果は地盤や杭仕様を含む運用条件と合わせて確かめる必要がある。