何が起きたか

トヨタ自動車は11月2日、SUV「RAV4」を一部改良して発売した。改良の中心は、路面に応じて駆動力配分やブレーキ制御を行う「マルチテレインセレクト」の搭載である。PHEV搭載車は2027年1月6日に発売する予定だ。

本紙の見方

今回の改良で焦点となるのは、オフロード走行を一括して扱うのではなく、路面の状態に合わせて制御の狙いを分けた点だ。泥や砂ではタイヤの空転を適度に許し、タイヤが路面を掻き出しやすくする。一方、凹凸路面ではスリップを抑え、接地性を保ちやすくする。どちらも駆動力配分とブレーキ制御を使うが、前者は路面から脱出するための空転を許容し、後者は接地を維持する方向に重心を置く設計として説明されている。したがって、この機能の価値はモード数そのものより、運転者が路面に応じた制御を選び分けられることにあるとみられる。 切り替え時に作動状況をディスプレイへ表示する機能も、制御を車両内部だけで完結させず、選択したモードと動作状況を運転者に伝える仕組みとして位置づけられる。ただし、response.jpの記事は走破性や走行安定性の向上を支援すると説明する一方、評価条件や数値、対応するグレードなどは示していない。機能の有効性を比較するには、対象路面や車両条件をそろえた性能情報が必要になる。 同日掲載のトヨタ「クラウン エステート」を一部改良、PHEVに「ESTATE Z」追加も、別車種の改良とグレード追加を伝えている。両記事から確認できるのは、車種ごとに異なる改良内容が公表されたことまでで、共通する開発方針や技術の横展開を示す根拠にはならない。RAV4については、路面別制御がどの仕様に適用されるか、PHEV搭載車にも同じ機能が備わるか、実走行でどのような条件に対応するかが、次に確認すべき点となる。現時点では、今回の変更を自動運転やAI機能の追加と捉えるのではなく、運転者が選択する走行モードの改良として整理するのが妥当だ。

なぜ重要か

泥・砂向けと凹凸路面向けで制御の狙いを分けたため、オフロード走行時に運転者が路面に応じてモードを選ぶ構成となる。トヨタの改良内容として、作動状況の表示も含めて示されているが、性能向上の程度を示す数値は記事に記載されていない。