何が起きたか
智元創新(上海)科技股份有限公司は2026年10月26日、重負荷型具身ロボット「精霊G2 Max」を発表した。単腕の負荷は20kg、双腕の定格負荷は40kg、ピーク負荷は50kgで、手先の繰り返し位置決め精度は±0.5mm以下としている。拆垛や物料搬送、ラインへの供給などを想定する。
詳細
同社によると、G2 Maxは7自由度の力制御双腕と、視覚誘導・双腕力制御を組み合わせる。垂直作業範囲は0.1~2.5m、水平作業範囲は1.2mで、腰部の俯仰関節による姿勢調整を使い、片側からの拆碼垛にも対応するという。倉庫作業の例では、同社は全体の作業成功率が99%を超え、拆垛は毎時80箱、碼垛は毎時75箱と説明した。 電池はホットスワップと自動充電に対応し、同社は7×24時間の連続作業を可能にするとしている。安全機能には2D・3Dレーザーライダー、超音波、底盤の安全接触縁、物理非常停止を含む。作業プラットフォーム「Genie Studio 2.0」にも対応し、タスク編成、シミュレーション検証、複数台の運用管理を行えるとしている。
Key Facts
| 智元創新は2026年10月26日、具身ロボット「精霊G2 Max」を発表した。 | [1] |
| 単腕負荷は20kg、双腕定格負荷は40kg、双腕ピーク負荷は50kg。手先の繰り返し位置決め精度は±0.5mm以下。 | [1] |
| 垂直作業範囲は0.1~2.5m、水平作業範囲は1.2m。 | [1] |
| 同社が示した倉庫作業の例では、作業成功率は99%超、拆垛は毎時80箱、碼垛は毎時75箱。 | [1] |
| 電池のホットスワップと自動充電に対応し、Genie Studio 2.0に適合する。 | [1] |
本紙の見方
G2 Maxの焦点は、重い荷物を運ぶ能力だけでなく、搬送後の精密な置き作業まで一台で担う設計にある。双腕定格40kgに対し、位置決め精度は±0.5mm以下とされ、重負荷と細かな操作を両立させる点が製品の新規性だ。一方、力制御双腕や視覚誘導、作業プラットフォームとの連携は、智元が掲げる具身AIの全体構成の延長に位置づけられる。数値は同社の発表に基づくもので、独立した評価結果とは区別する必要がある。 本紙が扱った智元、具身Agent枠組み「Genie Master」を発表 実店舗で自律的な改善を検証(2026年10月28日)は実行結果を能力改善につなぐ枠組みを、智元創新が仿真平台「Genie Sim」を更新、柔性物体のシミュレーションに対応(同日)は仿真・評価・後訓練を扱った。G2 Maxは、こうしたモデルや開発環境の話を、負荷・精度・作業範囲を持つ実機の工程適用へ接続する製品と読める。ただし、これらの発表がG2 Maxに統合済みであることや、同じ現場で一体運用されることまでは示されていない。智元、AI WAVEで新品7連発へ 11月2日からG2を便利店で24時間検証が掲げた本体・モデル・データ・工具・システムの連携という方向性に対しても、G2 Maxの発表は、産業現場で求められる物理作業能力を担う側面を具体化したものといえる。 業界構造への含意は、ロボット導入の単位が単純な搬送機能ではなく、既存設備との接続、限られた空間での動作、連続稼働を含む工程単位になりうる点だ。同社は作業範囲や姿勢調整を示し、既存ラインへの適合を設計目標としている。また、毎時の処理量と7×24時間運用の主張は、導入時に瞬間的な荷重だけでなく、実際の工程サイクルや補給方法を比較する必要性を示す。ただし、発表には具体的な価格、累計導入台数、稼働率、作業成功率の測定条件や安全機能の評価基準は記載されていない。今後は、異なる物料・環境での処理実績と、長時間運転時の性能がどのように示されるかが焦点になる。
なぜ重要か
智元創新は、双腕定格荷重40kgと位置決め精度±0.5mm以下を掲げ、運搬と精密な取扱いを一台で担う設計を示した。既存設備との連携や限られた作業空間への適応を必要とする工場・倉庫の工程では、荷重だけでなく作業範囲、処理速度、連続運転の条件を合わせて評価する必要がある。