何が起きたか
PTCは2026年8月13日(米国時間)、CAD/PDMプラットフォーム「Onshape」において、新機能「FeatureScript MCP Server」の提供を開始したと発表した。この機能は、AI(人工知能)などの開発機能を早期に試せる「Onshape Labs」を通じて提供される。
本紙の見方
今回のPTCによるFeatureScript MCP Serverの提供は、CAD業界におけるAI活用の新たな方向性を示すものだ。従来の「text-to-CAD」が最終形状を直接生成するのに対し、PTCは「text-to-code-to-CAD」というアプローチを採用している。これは、AIがFeatureScriptコードを生成し、そのコードを実行してCAD機能を実現するというもので、エンジニアの意図をコードという形で介入させる点に特徴がある。 このアプローチは、AIの出力をブラックボックスにせず、コードとして検証・修正可能にするという利点がある。エンジニアは生成されたコードを確認し、必要に応じて調整できるため、設計意図の反映や品質管理の面で優位性があるとみられる。また、一度作成したカスタムツールは再利用可能であり、チーム内での知識共有にもつながる。 業界構造への含意としては、CADツールの競争軸が「形状生成の自動化」から「設計知識のコード化と再利用」へと移行する可能性が示唆される。PTCはOnshapeをクラウドネイティブなプラットフォームとして展開しており、MCP連携により外部のLLMと柔軟に組み合わせられる点は、競合他社に対する差別化要因になり得る。 一方で、未確定の論点もある。FeatureScript MCP Serverの実運用における性能や、生成されるコードの品質、エンジニアの受け入れ度合いはまだ不明だ。また、MCP連携がセキュリティやデータ管理の面でどのような影響を与えるかも、今後の検証が必要になる。PTCがこの機能をどのように発展させ、他のCAD製品に展開するかも注目される。
なぜ重要か
この動きは、CADソフトウェアにおけるAIの役割が「形状生成」から「設計プロセス全体の自動化」へと拡大することを示す。エンジニアはプログラミング知識がなくても高度なカスタマイズが可能になり、設計業務の効率化と知識の共有が進むと期待される。