何が起きたか
地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪国際がんセンター(大阪市中央区、総長:松浦成昭)は、2026年6月に導入した手術ロボット「ダビンチSP」を用いて、同センターとして初めて中咽頭がんのロボット手術を行った。同センターは今後、ダビンチSPによる頭頸部(のど)がん手術を年間50件実施する目標を掲げている。
詳細
導入された「ダビンチSP」は、きずがなく口の中からがんを取り出す手術を可能にし、患者の負担を最小限に抑えるとされる。同センターはこのロボットを用いた頭頸部がん手術で年間50件の実施を目指すとしている。
Key Facts
| 大阪国際がんセンターは2026年6月に手術ロボット「ダビンチSP」を導入した。 | [1] |
| 同センターとして初めて中咽頭がんのロボット手術を実施した。 | [1] |
| 今後はダビンチSPを用いた頭頸部がん手術で年間50件の実施を目指す。 | [1] |
本紙の見方
今回の発表は、大阪国際がんセンターが2026年6月に導入した「ダビンチSP」を用いた初の中咽頭がん手術の実施と、年間50件という目標設定を伝えるものである。新規ロボットの導入から初回手術までの期間や、手術の詳細な症例数は明らかにされていないが、年間50件という目標は、頭頸部がん領域におけるロボット手術の定着を目指す姿勢を示している。 本紙の過去報道との接続はないが、ロボット手術の普及という観点では、ダビンチSPは単孔式手術ロボットとして、従来のマルチポート型と異なり、より低侵襲な手術を可能にする。今回の発表では、口の中からがんを取り出すことで患者の負担を最小限にするとされており、これは頭頸部がん手術における機能温存や整容性の向上につながる可能性がある。 業界構造への含意としては、頭頸部がん領域でのロボット手術の適応拡大が挙げられる。従来、ロボット手術は前立腺がんや婦人科領域で普及してきたが、頭頸部は解剖学的に複雑で、ロボットの導入が進んでいなかった。ダビンチSPのような単孔式ロボットの登場により、経口的アプローチが容易になり、頭頸部がん手術の低侵襲化が進むとみられる。また、年間50件という目標は、同センターの手術件数全体に占めるロボット手術の割合を高め、手術の標準化やチームの熟練度向上に寄与する可能性がある。 未確定の論点としては、実際の手術件数の推移や、合併症率、患者のQOL(生活の質)への影響などが挙げられる。また、ダビンチSPの導入コストや保険適用の状況も、今後の普及を左右する要因となる。
なぜ重要か
大阪国際がんセンターが頭頸部がん領域でロボット手術を本格的に開始したことは、同領域における低侵襲手術の選択肢を広げる一歩となる。年間50件という目標は、ロボット手術の実績を積み、治療成績や患者負担の軽減にどのような効果をもたらすかが注目される。