何が起きたか
国際ロボット連盟(IFR)は、2025年の米国における産業用ロボット設置台数が前年比11%増の3万8,000台に達したと発表した。
本紙の見方
IFRの発表は、米国ロボット産業が二桁成長に回帰したことを示す。設置台数3万8,000台は前年比11%増で、自動車産業の微減(1%減)を食品産業など非製造業の成長が補った構造だ。食品産業の導入が30%増加し、金属・機械、電気電子と並ぶ約3,000台に達した点は、従来の自動車中心の需要構造が多様化していることを示す。 本紙の過去報道では、北米ロボット導入、パイロット段階から量産展開への移行に課題 調査で7〜8割が停滞で、パイロット段階から本格展開への移行に課題があると報じた。今回のIFRデータは、食品産業など新たな分野での導入拡大を示すが、これがパイロット段階を超えた本格展開なのかは不明だ。食品産業での約3,000台の設置は、金属・機械や電気電子と同水準であり、新分野での需要が実需として現れ始めた可能性がある。 また、米FCC、外国製先進ロボットをCovered Listに追加 移動型ロボットの輸入・販売に制限で報じた規制は、移動型ロボットに限定され、産業用ロボットは除外されている。今回のIFRデータは産業用ロボットが対象であり、規制の影響は限定的とみられる。 ロボット密度307台は世界8位で、韓国(1,220台)、ドイツ(449台)、日本(446台)に大きく水をあけられている。米国は市場規模では中国に次ぐが、密度では上位国に及ばない。これは、米国の製造業における自動化の浸透度が、欧州やアジアの先進国に比べて低いことを示す。 今後の焦点は、食品産業での成長が持続するか、そして自動車産業の微減が一時的かどうかだ。IFRはヒューマノイドロボットの統計調査も開始しており、IFR、ヒューマノイドロボットの市場統計調査を開始で報じた通り、新たな市場の実態把握が進む。詳細は原典を参照されたい。
なぜ重要か
米国ロボット市場の二桁成長は、自動車以外の産業での自動化需要が本格化していることを示す。食品産業の成長は、ロボット導入の裾野が広がっている証左であり、今後の市場構造の変化を占う上で重要な指標となる。
日本への影響
米国のロボット密度(307台)は日本(446台)を下回るが、食品産業での導入増加は、日本の食品産業における自動化の参考事例となる可能性がある。ただし、IFRのデータは米国市場に限定されており、日本への直接的な影響は不明。