何が起きたか
富士ソフトは10月14日、愛知県名古屋市に新設したロボット開発・実証拠点「名古屋Lab」を公開し、異なるメーカーの搬送ロボットを統合管理する「MixFlit」の実機デモを示した。さらに富士ソフトは10月15日、株式会社エクセディとMixFlitの販売店契約を締結したと発表している。
詳細
MixFlitは、メーカーごとに異なるAMRやAGVを一元管理し、工場内設備や生産管理システムとの連携を支援するフリート管理システムである。PRTIMESの発表によれば、ライセンス価格は一括6百万円(税別)、月額18万円(税別)で、導入費・カスタマイズ・保守費は別途となる。主な特長として、複数メーカーのAMRを1画面で統合制御すること、Web画面からルート変更できること、Unityによる導入前の3Dシミュレーション、AMR最大50台までの接続、ヒアリングから最短2か月での導入を挙げている。標準で接続できるAMRには、kachaka Pro(Preferred Robotics)、KeiganALI(Keigan)、Neibo(エクセディ)が含まれる。
Key Facts
| 富士ソフトは2026年10月14日、愛知県名古屋市の新設拠点「名古屋Lab」を公開した。 | [2] |
| 名古屋Labでは、AMR統合管理プラットフォーム「MixFlit」の実機デモが公開された。 | [2] |
| 富士ソフトは2026年10月15日、株式会社エクセディとMixFlitの販売店契約を締結した。 | [1] |
| MixFlitのライセンス価格は一括6百万円(税別)、月額18万円(税別)で、AMRは最大50台まで接続可能である。 | [1] |
本紙の見方
今回の焦点は、富士ソフトが単独の搬送ロボットではなく、異なるメーカーのAMRやロボットアーム、工場設備をまとめて動かす統合層を前面に出した点にある。MixFlitは「ロボット本体の性能競争」ではなく、既存設備や上位システムをまたぐ運行管理に主眼を置いた製品であり、名古屋Labの公開はその機能を実機で示す場と位置づけられる。富士ソフト、名古屋Labを公開で示されたように、同社は実証拠点を開いて搬送自動化の見せ方を強めている。今回のデモは、その拠点の中身を、FANUC、安川電機、Universal Robots、Preferred Robotics、YOUIBOTという複数ブランドの混在運用で示した点に特徴がある。単一メーカーの囲い込みではなく、既存ラインに残る異機種をどう束ねるかが、導入判断の実務に近い論点になっている。また、10月15日のエクセディとの販売店契約は、ソフト単体の提示から、AMR「Neibo」と統合制御を組み合わせた提案へ広げる動きと読める。ここで重要なのは、搬送機器そのものよりも、運行管理、ルート設定、上位システム連携を含む制御層が主役になっていることだ。構造としては、搬送指示を生産管理・倉庫管理側で受け、MixFlitがAMR群の配車や充電、状態監視を担う形である。一方で、未確定論点も残る。名古屋Labでの実演は複数メーカー対応の可能性を示したが、実運用での混在台数、各社機種ごとの接続条件、工場設備側の標準化範囲、導入後の保守責任分担はソース本文からは読み切れない。最大50台接続という仕様が、どの現場条件で成立するのか、また異機種混在時の立ち上げ工数がどこまで抑えられるのかが次の確認点になる。
なぜ重要か
富士ソフトが示したのは、AMR単体の導入ではなく、異なるメーカーの搬送ロボットを共通基盤で扱う運用モデルである。工場側にとっては、既存設備や生産管理・倉庫管理システムを残したまま搬送自動化を進める前提が明確になる。
日本への影響
日本では、製造現場の搬送自動化を進める際に、AMR本体だけでなく既存の生産管理・倉庫管理との接続が課題になりやすい。MixFlitが標準接続先として挙げたPreferred Robotics、Keigan、エクセディのNeiboのように国内のAMRや周辺制御をどう束ねるかが、国内ベンダーの競争軸になりやすい。