何が起きたか
日本経済新聞が2026年8月18日に報じたところによると、富士経済は同日、ヒューマノイドロボットの世界市場調査結果を発表した。2040年の世界市場予測(2025年比)で、二足歩行型ヒューマノイドロボットは6兆円(92.3倍)に達し、2035年頃から本格的に普及する見通しを示した。
本紙の見方
今回の富士経済の市場予測は、ヒューマノイドロボットが2040年に6兆円規模(2025年比92.3倍)へ成長するという見通しを示した点で、長期的な市場拡大への期待を裏付けるものだ。ただし、これはあくまで調査会社による予測であり、一次情報(公式発表やIR)に基づくものではない。本紙は報道を通じてこの事実を確認したが、予測の前提となる詳細な調査方法や内訳は公開情報からは確認できていない。 本紙の過去報道との接続を考えると、これまでヒューマノイドロボットは各社が試作機を発表する段階にあり、量産や市場形成はまだ初期段階だった。今回の予測は、2035年頃からの本格普及という時間軸を示すことで、開発競争が今後10年で実用化フェーズに移行するという見方を補強する。ただし、過去の本紙記事が具体的な製品や企業動向を扱っていたのに対し、今回は市場全体の予測であり、個別企業の戦略との直接的な接続は明らかでない。 技術・製品としての読み方では、二足歩行型に焦点を当てた点が重要だ。二足歩行は人向け環境での移動を可能にするが、安定性やエネルギー効率、制御の複雑さが実用化の難所とされる。富士経済が「人向けに設計された建物や設備など、既存のロボットが導入できない環境への導入に期待」としているのは、この技術的課題を克服した先に市場があるという認識を示す。 業界構造への含意としては、市場予測が6兆円規模に達する場合、部材サプライチェーンやソフトウェア開発、データ収集基盤への投資が加速する可能性がある。特に、二足歩行の制御には高度なセンサーやアクチュエーターが必要で、これらの部材市場も同時に拡大するとみられる。ただし、予測の実現には量産技術の確立やコスト低減が不可欠であり、現時点では不確実性が高い。 未確定の論点として、まず予測の前提となる市場定義(どの製品をヒューマノイドに含めるか)や、地域別・用途別の内訳が公開されていない点が挙げられる。また、2035年頃の本格普及という時期が、技術進歩や規制、社会受容性に依存するため、実際の普及時期は前後する可能性がある。次に、各社の量産計画や実際の導入事例がこの予測と整合するか、今後の発表を確認する必要がある。 一次情報は確認できていないため、読者には富士経済の公式レポート(「2026年版 ワールドワイドロボット関連市場の現状と将来展望 ヒューマノイドロボット・部材編」)を参照することを勧める。本紙は今後、個別企業の動向や詳細な市場データが公開され次第、追って報じる。
なぜ重要か
この予測は、ヒューマノイドロボットが単なる研究開発段階から、2030年代後半には6兆円規模の市場を形成するという長期的な成長シナリオを示す。企業の研究開発投資や部材メーカーの戦略立案に影響を与える可能性があり、投資家や業界関係者にとって市場の方向性を占う指標となる。
日本への影響
富士経済は日本の調査会社であり、日本市場の特性を反映した予測とみられる。日本はロボット産業で強みを持つが、ヒューマノイド分野では海外勢の先行が目立つ。今回の予測は、日本の部材メーカーにとって二足歩行ロボット向けのセンサーやアクチュエーター需要の拡大を示唆するが、具体的な日本企業への影響は一次情報が確認できないため、現時点では判断できない。