何が起きたか
KNAPPは2026年10月15日、ドイツ・リュットウ=ヴァルーンのEDEKA NORDfrische Centerに、Pick-it-Easy Robotsを2台組み込んだと発表した。ロボットは肉・ソーセージなどの個品を自動でピッキングし、1台当たり毎時約450ピックを処理する。バーコードの読取と各商品の実重量の記録も行い、24時間のピッキングに対応する構成だ。
詳細
同センターの自動化設備は約8,000平方メートルで、温度を常時+2°Cに保ち、最大で1日40,000容器を処理する。保管には約70,000か所のシャトル式保管ロケーションを使う。KNAPPは2019年に、将来の成長を見据えた自動化構想を同センター向けに策定したとしている。 ピッキング工程には、作業者が商品を取り出すPick-it-EasyのGoods-to-Person作業台、Pick-to-Lightステーション、今回追加した2台のロボットがある。出荷までの工程はKNAPPのKiSoftが制御し、KiSoft AppSuiteは在庫・処理能力・工程状況を可視化して、保管戦略や資源配置などを最適化するとKNAPPは説明している。
Key Facts
| KNAPPは2026年10月15日、EDEKA NORDfrische CenterへのPick-it-Easy Robots 2台の統合を発表した。 | [1] |
| ロボットは1台当たり毎時約450ピックを処理し、バーコード読取と商品の実重量記録も行う。 | [1] |
| センターの自動化設備は約8,000平方メートル、温度は+2°Cで、最大1日40,000容器を処理する。 | [1] |
| シャトル式保管システムには約70,000か所の保管ロケーションがある。 | [1] |
本紙の見方
今回の拡張の要点は、ロボット単体の追加というより、既設の冷蔵物流システムに個品ピッキングの自動化を組み込んだ点にある。約8,000平方メートル、最大1日40,000容器、約70,000か所の保管ロケーションを持つ設備に、2台のロボットを加える構成だ。センター全体をロボット化するのではなく、Goods-to-Person作業台やPick-to-Lightと併設するため、異なる商品や注文量に応じて人手・設備を使い分ける設計と読める。 新しいのは、ロボットが商品をつかむだけでなく、バーコードを読み、実重量も記録する点である。ピッキングと商品情報の取得を同じ工程で担わせることで、後工程に渡す情報の精度や手作業の量がどう変わるかが評価点になる。ただし、KNAPPの発表には、約450ピックという処理性能の測定条件や、対象商品の範囲、例外品を人が扱う割合は示されていない。24時間運転への対応が、実際の稼働時間や注文処理全体の安定性にどう結びつくかも別途確認が必要だ。 また、今回のロボットは孤立した設備ではなく、約70,000か所の保管システムからピッキング、仕分け、出荷へ続く工程の一部である。KNAPPはKiSoftが入荷から出荷までの物と工程の流れを制御すると説明しており、ロボットの処理状況を既存の在庫・能力管理とどう連携させるかが、拡張の実効性を左右するとみられる。設備の追加を重ねる場合、異なるピッキング方式間の割当てや、冷蔵環境での保守・停止時の運用も論点になる。 本紙が9月14日に報じたPudu Roboticsが欧州展開を強化は欧州展開の方針を扱ったが、今回はドイツの食肉物流拠点における具体的な工程導入であり、扱う課題も異なる。今後は、実運用での処理量と稼働率、ロボットが扱える商品構成、重量・バーコード情報のエラー対応、作業者との役割分担が公表されるかが焦点となる。
なぜ重要か
同センターでは、+2°Cの環境で最大1日40,000容器を扱う既存設備に、個品ピッキングとバーコード・重量記録を行うロボットを組み込んだ。食肉物流の運営者にとって、ピッキングだけでなく商品情報取得を含む工程を、既存の保管・制御システムと一体で自動化できるかが具体的な論点となる。