何が起きたか

humanoid.guideは2026-09-16、Daxo Roboticsのロボットハンド「Muscle V0」を取り上げた。120個の個別アクチュエータを持つ腱駆動型で、0.75kgの軽量設計、5本指構成、剛性関節を持たない柔軟構造だとしている。

本紙の見方

Daxo Roboticsの「Muscle V0」は、一般的な把持用グリッパーではなく、器用さそのものを前面に出したロボットハンドとして報じられている点が重要である。120個のアクチュエータを分散配置し、剛性関節を置かない腱駆動という構造は、単純な開閉動作よりも、指ごとの協調制御や接触を伴う操作の研究に向くとみられる。つまり、ロボットハンドの評価軸が「つかめるか」から「どこまで繊細に扱えるか」へ移っていることを示す事例である。 本紙の過去報道としては、Unitree、新型ヒューマノイドを発表 価格は○○や、Figure、ヒューマノイドの商用展開を示唆のように、ヒューマノイド本体の量産性や実運用が論点になる案件が続いている。これらと比べると、Muscle V0は完成機の全身ではなく、手先という末端の実装に焦点を絞っている。全身の歩行性能や価格競争とは異なり、把持対象の多様さ、制御の難しさ、接触時の耐久性が争点になるためである。公開情報だけでは価格、量産計画、対応ソフトウェアの範囲は確認できないが、研究用途のプラットフォームであれば、性能の見せ方は台数よりも再現性と制御自由度に左右される。 さらに、この種の製品はハードウェア単体で完結しない。120個のアクチュエータをどう制御するか、どのセンサー情報を使って学習や調整を回すか、摩耗した部材をどう交換するかで実用性が決まるとみられる。腱駆動は柔軟性を得やすい一方で、保守や個体差の管理が論点になりやすい。したがって、今後確認すべき点は、1) 制御スタックと提供形態、2) 耐久性と保守手順、3) 研究機関以外への展開有無である。詳細は原典を参照されたい。

なぜ重要か

Muscle V0は、ロボットハンドの価値が単純な把持力ではなく、多指協調と柔軟接触の制御にあることを示す。開発者や研究者にとっては、手先の機構と制御を切り分けて検証できるため、学習データの取得や操作研究の対象として意味がある。