何が起きたか
ダイヘンは2026年10月7日から9日まで、インテックス大阪で開かれる「第29回 ものづくりワールド[大阪]~次世代3Dプリンタ展~」に出展する。ブース番号は10-56で、アーク溶接技術と高精度なロボット制御技術を組み合わせた金属積層造形システム「ArcBuilder 3D」を中心に紹介する。 あわせて、造形サンプルや造形支援ソフトウェアも展示し、従来の鋳造や切削加工に代わる高速・低コストの製造ソリューションとして提案する。
詳細
ArcBuilder 3Dは、金属ワイヤーをアーク溶接で溶かしながら積み重ねるWAAM(Wire Arc Additive Manufacturing)方式のシステムである。ダイヘンは、長年手がけてきたアーク溶接とロボット制御の技術を3Dプリンタ分野に展開した製品だとしている。 展示会の会期は2026年10月7日(水)~10月9日(金)、時間は10:00~17:00、会場はインテックス大阪である。ダイヘンのブースは10-56と案内されている。
Key Facts
| ダイヘンは2026年10月7日から9日まで「第29回 ものづくりワールド[大阪]~次世代3Dプリンタ展~」に出展する。 | [1] |
| 展示の中心はWAAM方式の金属積層造形システム「ArcBuilder 3D」である。 | [2] |
| ArcBuilder 3Dは、金属ワイヤーをアーク溶接で溶かしながら積み重ねて形をつくる方式である。 | [2] |
| 会場はインテックス大阪、ダイヘンのブースは10-56である。 | [1] |
本紙の見方
今回のポイントは、ダイヘンが単なる溶接機器の紹介ではなく、アーク溶接とロボット制御を組み合わせたWAAM方式を、3Dプリンタの文脈で前面に出した点にある。ArcBuilder 3Dは金属ワイヤーを積み上げる方式で、粉末床や切削中心の加工とは入力材と成形工程が異なる。公開情報ベースでは価格、造形サイズ、量産向けの処理速度は確認できないが、少なくともダイヘンは「高速」「低コスト」という使い分けを提示しており、試作だけでなく大型金属部品の製法選択肢として見せたい意図が読み取れる。 本紙の関連記事で見ると、フィジカルAIやロボット量産の議論は、ソフトウェア単体ではなく、実機・製造装置・現場データを結ぶ方向に寄っている。たとえば WAN、フィジカルAI研究開発を本格始動 建機訓練システム「メタトレ+」を第一弾にパートナー募集 は訓練システムを起点にしており、ugo、ルネサス那珂工場に点検ロボット「ugo mini」3台を本導入 は現場導入とデータ連携を前進させた。これらに比べると、ダイヘンの今回は学習データ基盤そのものではなく、金属部品の製造工程に踏み込んだ点が異なる。つまり、ロボットを動かすAIの話から、ロボットで部品を作る話へと射程が広がっている。 競合の位置づけでも、WAAMは大型金属部品を対象にしやすい一方、精度や後加工の要否が論点になりやすい方式とみられる。今回の展示が示すのは、ダイヘンが自社の強みであるアーク溶接と制御を、3Dプリンタ市場の中で差別化要因に転用しようとしていることだ。公開情報では、既存の切削・鋳造とのコスト比較や、どの材料・どの形状で優位が出るかまでは示されていないため、評価はまだ限定的である。今後確認すべき点は、①造形可能なサイズと材質、②量産用途を想定した生産性と後加工の範囲、③実際の採用先や展示後の商談化の有無である。
なぜ重要か
ダイヘンが示したのは、溶接とロボット制御の延長で金属部品の積層造形に入る道筋である。大型部材の製法選択肢が増えるかどうかは、切削・鋳造に依存してきた現場の工程設計に関わる。
日本への影響
日本では、溶接・工作機械・産業用ロボットの周辺産業が既に厚い。ArcBuilder 3Dのようにアーク溶接と制御を束ねる方式は、そうした既存の部材・装置・保守の蓄積を生かしやすい構造であり、日本勢にとっては強みを持ち込みやすい領域とみられる。