何が起きたか

OFweek工控網は、中国のPLC市場について、小型PLCでは国産化が進む一方、中大型PLCでは依然として外資系メーカーが優位であると報じた。

本紙の見方

OFweek工控網の報道は、中国PLC市場の現状を「小型は国産化、中大型は外資優位」という構図で描く。この構図は、本紙が過去に報じた産業オートメーションの知能化・ネットワーク化の進展と密接に関連する。EtherCATノード数の急増(EtherCATノード数が7,700万個に、2023年だけで1,800万個増加)が示すように、制御系のネットワーク化が進む中で、PLCの役割は単なるシーケンス制御から、データ収集・処理のエッジノードへと拡大している。この流れは、中大型PLCの需要を押し上げる一方、その高度な制御アルゴリズムや信頼性への要求は、長年の実績を持つ外資系メーカーに有利に働く。 国内勢の動きも活発だ。汇川技術は大型PLCの開発継続と海外市場開拓を表明し、宝信軟件は好調な業績を背景に自主PLCの成長を期待する。しかし、これらの取り組みは、中大型PLCの分野で外資の牙城を崩すには至っていない。本紙が過去に報じた中国産業用ロボットの苦戦(中国の産業用ロボット、世界市場で苦戦 過剰生産と日本・欧州勢の牙城)と同様の構図が、PLC市場にも存在する。すなわち、国内需要の大きさを背景にシェアを拡大しても、高付加価値分野での競争力は依然として課題である。 さらに、工業AIの投資加速(工業AIの投資加速、一級市場で資金流入 産業応用の実効性が焦点に)は、PLCを含む制御機器に新たな競争軸を持ち込む。AIが「画面から現場へ」移行する中で、PLCはAI推論のエッジ実行基盤としての役割を期待される。この領域では、ソフトウェアとハードウェアの統合力が問われ、外資系はすでにAI対応の制御ソリューションを投入している。国内勢が中大型PLCで巻き返すには、単なるハードウェアの性能向上だけでなく、AIとの統合やエコシステム構築が不可欠となる。 一方、西門子が駆動事業を売却する動き(西門子、駆動事業を35億ユーロでKPSに売却へ Innomoticsの譲渡で合意)は、外資系の戦略見直しを示す。制御機器の中核であるPLC事業は維持しつつも、周辺事業を切り離すことで、ソフトウェアとサービスに経営資源を集中させる意図が透ける。この動きは、PLC市場の競争がハードウェア単体から、ソフトウェア・サービスを含むソリューション競争へとシフトしていることを示唆する。 本紙は、中国PLC市場の構造的課題を、国内勢の技術力向上と外資系の戦略転換という二つの視点から注視する。詳細な市場シェアや技術比較については、原典(OFweek工控網の記事)を参照されたい。

なぜ重要か

中国PLC市場の構造は、産業オートメーションの知能化が進む中で、国内勢と外資系の競争構図を如実に示す。小型機での国産化成功は、中大型機やAI統合といった高付加価値分野への挑戦の足がかりとなるかが焦点だ。

日本への影響

中国PLC市場における中大型機の外資優位は、日本のPLCメーカー(三菱電機、オムロン、キーエンスなど)にとって依然として重要な市場であることを示す。一方、小型機の国産化が進む中で、日本勢は中大型機や高機能機種での差別化が求められる。