何が起きたか

ee.ofweek.comが報じたところによると、長江存储は2026年8月21日に上交所へ科創板IPO申請を提出し、募資総額330億元は過去最大となった。2026年第1四半期の純利益は333.79億元に達した。

本紙の見方

長江存储の科創板IPO申請は、中国半導体産業における象徴的な出来事である。募資330億元は、長鑫科技の295億元や中芯国際の200億元を上回り、科創板史上最大の規模となる。2026年第1四半期の純利益333.79億元は、AI需要によるNANDフラッシュ価格高騰を背景にしたもので、同社の収益力がピークにあることを示している。 本紙は過去に、半導体設備の国産化率50%超、中国の設備調達戦略に変化の兆し(2026年8月31日付)で、中国の半導体設備国産化率が28nm+プロセスで50%を超えたと報じた。長江存储はNANDフラッシュの国産化を牽引する存在であり、その上場は設備国産化の成果を資本市場で評価する試金石となる。また、軟銀向英特尔注資20億美元,持股约2% 美国政府追加89億美元持股9.9%(2026年8月31日付)で報じたように、米国政府がIntelに89億ドルを出資し、半導体産業への関与を強めている。こうした中で、長江存储の上場は中国が半導体のサプライチェーンを自国で完結させる戦略の一環とみられる。 業界構造への含意として、長江存储の上場はNANDフラッシュ市場の競争を激化させる可能性がある。同社はQLC NANDで先行し、致態ブランドのSSDでシェアを拡大している。一方、三星・海力士・美光の3社がDRAM市場の93%を占める中、NANDでも寡占が進む。長江存储の資金調達は、生産能力の増強や技術開発に充てられ、価格競争を招く可能性がある。また、同社の上場は、中国のメモリ産業が資本市場で評価される初のケースとなり、今後の長鑫科技の上場にも影響を与えるとみられる。 一方で、市場は周期高値での上場に慎重だ。ee.ofweek.comの記事では、君正股份の株価が純利益489%増にもかかわらず時価総額が542億元縮小した例が挙げられ、半導体株の評価が業績と連動しないリスクが指摘されている。長江存储の業績がNAND価格に依存する以上、価格下落局面では収益が悪化する可能性がある。 今後確認すべき点は、第一に、上場後の生産能力増強計画とNAND価格動向、第二に、長鑫科技のIPO時期とDRAM市場への影響、第三に、米国による追加輸出規制が長江存储の設備調達に与える影響である。詳細は原典を参照されたい。

なぜ重要か

長江存储の上場は、中国の半導体自給戦略が資本市場で試される試金石となる。その成否は、今後の中国メモリ産業の資金調達環境や、世界のNAND市場の競争構造に影響を与えるとみられる。