何が起きたか

BASFと上海Fourier Intelligence(Fourier)は2025年8月18日、次世代ヒューマノイドロボット向けの新材料ソリューションを評価・開発する覚書(MoU)を締結した。対象はエンジニアリングプラスチック、ポリウレタン、熱可塑性ポリウレタンで、ロボット本体とその部品への応用を目指す。BASFベンチャーキャピタル(BVC)が仲介したロボティクス分野初の中国案件で、FourierのGRxヒューマノイドシリーズは40カ国・3000以上の機関で採用されている。

詳細

BASFとFourierは、エンジニアリングプラスチック、ポリウレタン、熱可塑性ポリウレタンの応用・開発において、技術、商業、マーケティング、ビジネスモデルの協力を探る。BASFのアンディ・ポスルスウェイト上級副社長(パフォーマンスマテリアルズ・アジアパシフィック)は、Fourierを中国のヒューマノイド分野のリーディングカンパニーと評し、独自の強みを活かした材料ソリューション開発に意欲を示した。BVCのマネージングディレクター、ローランド・ヌンハイム氏は、2001年以降BVCがBASFと外部パートナーとの産業協力を促進してきた中で、今回が中国で開始したロボティクス分野初の協力だと述べた。Fourierの創業者兼CEO、アレックス・グー氏は、BASFとの協力で具現化AIエージェント開発の限界を押し広げたいとコメントした。

Key Facts

BASFとFourierは2025年8月18日、次世代ヒューマノイドロボット向け新材料ソリューションの評価・開発に関する覚書を締結した。[1]
協力対象はエンジニアリングプラスチック、ポリウレタン、熱可塑性ポリウレタンで、ロボットとその部品への応用を探る。[1]
BASFベンチャーキャピタル(BVC)が仲介し、中国でロボティクス分野初の協力案件となった。[1]
FourierのGRxヒューマノイドシリーズ、リハブハブ、オープンソース製品は40カ国・3000以上の機関で採用されている。[1]
BASFの2024年の売上高は653億ユーロ。[1]

本紙の見方

今回の提携は、ヒューマノイドロボットの量産化に向けた材料調達の重要性を示す。FourierはGRxシリーズを40カ国・3000以上の機関に展開しており、材料の安定供給と性能向上が次の課題となる。BASFは化学メーカーとして、エンジニアリングプラスチックやポリウレタンなど、ロボットの軽量化や耐久性に寄与する材料を提供できる。BVCが仲介した点は、BASFがスタートアップとの協業を戦略的に進める姿勢の表れだ。 本紙の過去報道では、UBTECHが受注1万3000件超で量産を開始する一方、株価は下落している。FourierはUBTECHと並ぶ中国のヒューマノイド企業であり、材料開発での提携は量産体制の強化につながる。特に、UBTECHが消費者市場で苦戦する中、Fourierは医療・リハビリ分野での実績を強みに、産業用から民生用への展開を目指すとみられる。 業界構造への含意として、材料サプライチェーンの重要性が増す。BASFのような化学大手がロボット材料に参入することで、部品の標準化やコスト低減が進む可能性がある。また、BVCの関与は、ロボティクス分野への投資が活発化する兆候とも言える。 未確定の論点は、具体的な材料の開発スケジュールや、Fourierの量産計画への影響である。覚書の段階であり、実際の製品への適用時期は不明だ。また、BASFとの協力がFourierの競争力にどの程度寄与するかは、今後の技術開発と市場投入の成否にかかっている。

なぜ重要か

ヒューマノイドロボットの量産には、材料の性能と供給が不可欠だ。BASFとFourierの提携は、材料分野での協業がロボット産業の競争力を左右する時代の到来を示す。特に、中国勢が量産を急ぐ中、材料サプライチェーンの強化は国際競争での勝敗を分ける要素となる。

日本への影響

日本の化学メーカーや材料サプライヤーにとって、BASFの参入は競争圧力となる。特に、エンジニアリングプラスチックやポリウレタンは日本の得意分野であり、ヒューマノイド向けの高機能材料で差別化が求められる。また、日本のロボット部品産業は、材料の内製化が進む中国勢に対抗するため、高付加価値材料の開発が急務となる。