何が起きたか

安徽省は2026年9月20日、合肥で開かれた「2026世界制造業大会智能網聯新能源汽車産業集群建設对接会」で、智能網聯新能源汽車の十五五重点技術方向を発表した。中心は「1+3」技術体系で、AI深度赋能を軸に、智能網聯技術、新能源与節能技術、共性支撑技術の3分野を置く。会合では、前瞻布局として多智能体融合の具身智能汽車も掲げた。

本紙の見方

今回の発表で新しいのは、安徽省が智能網聯新能源汽車を単なる車両産業ではなく、AI深度赋能を中核に据えた「1+3」技術体系として整理し、その中に具身智能汽車を明示的に置いた点である。既定路線の延長にあるのは、車規級人工知能チップや整車OS、端雲融合異種計算といった基盤技術の積み上げだが、これらを智驾・座舱・底盤・動力の4つの智能体に分解して扱う構図は、従来の自動車開発よりもソフトと制御の設計思想を前面に出している。 本紙の関連記事中国車メーカー14社が人型ロボットに参入は、車メーカーの人型ロボット参入を量産時期の公表という形で捉えていた。今回は安徽省が政策レベルで、車を複数の智能体に分けて自律性と自進化を持たせる方向を示したため、車とロボットを同列の「具身智能」側に寄せる議論が、企業動向だけでなく地域政策にも広がっていることが読める。もっとも、ここで示されたのは技術方向であり、量産体制や評価指標を伴うものではない。 業界構造への含意としては、焦点は完成車そのものよりも、車規級AIチップ、整車OS、異種計算、感知融合、行動計画といった上流の共通基盤に移る。安徽が「共性支撑技術」を別立てにしたことは、個社ごとの機能競争よりも、複数車種に横展開できる基盤の有無が競争力を左右するという見方に近い。加えて、智驾・座舱・底盤・動力を分ける設計は、車内のデータ収集、学習、制御更新をどこまで統合できるかを問う。未確定の論点は、これらの智能体を実機でどう統合するか、車規級AI芯片の具体仕様、L3以上向けの国産大算力芯片の到達点、そして具身智能汽車が量産車のどの範囲に適用されるかである。

なぜ重要か

安徽省が示したのは、智能網聯新能源汽車を支える基盤を車両本体ではなく、AIモデル、車規級チップ、整車OS、異種計算に置く発想である。発表元によれば、智驾・座舱・底盤・動力を個別の智能体として扱うため、完成車メーカーだけでなく、制御系ソフトや車規級半導体の設計力が問われる。

日本への影響

車規級AIチップ、整車OS、端雲融合異種計算を重視する構図は、日本の半導体、車載ソフト、制御ECUの供給力がどこで競えるかを具体化する。特に、L3以上向けの大算力芯片や車載通信芯片が論点に入っているため、既存の車載部品産業は単体部品ではなく、計算基盤やOSとの組み合わせで見られる可能性がある。