何が起きたか

Alibaba Cloudは2025年9月8日、深圳に拠点を置く具現化知能モデル開発企業X Square RobotのSeries A+ラウンドを主導し、約10億元(1.4億米ドル)を調達したと発表した。これはAlibaba Cloudにとって具現化知能分野への初投資となる。同ラウンドにはCAS Investment、China Development Bank Capital、HongShan Capital Groupが参加し、既存投資家のMeituanとLegend Capitalも参加した。X Square Robotは2023年設立以来、8回の資金調達で累計20億元以上を調達している。

詳細

X Square Robotは2023年にCEOのWang Qian氏によって設立された。同社はこれまでに2つのロボットモデルを発表しており、先月には双腕車輪型ヒューマノイドロボット「Qunta X2」をリリースした。また、器用なロボットハンド「Artixon Hand」も設計している。同社は今週、実世界の状況を理解し効果的に行動できる知能を実現するとして、オープンソースモデル「WALL-OSS-4.2B」を公開した。調達資金は「完全自社開発の具現化知能基盤モデルの継続的な訓練と、ハードウェア製品の反復開発」に使用されると同社は述べている。

Key Facts

Alibaba CloudはX Square RobotのSeries A+ラウンドを主導し、約10億元(1.4億米ドル)を調達した。これはAlibaba Cloudにとって具現化知能分野への初投資である。[1]
X Square Robotは2023年にCEOのWang Qian氏によって設立され、これまでに8回の資金調達で累計20億元以上を調達している。[1]
同社は先月、双腕車輪型ヒューマノイドロボット「Qunta X2」をリリースし、器用なロボットハンド「Artixon Hand」も設計している。[1]
同社は今週、オープンソースモデル「WALL-OSS-4.2B」を公開し、実世界の状況を理解し効果的に行動できる知能を実現するとしている。[1]
調達資金は「完全自社開発の具現化知能基盤モデルの継続的な訓練と、ハードウェア製品の反復開発」に使用されると同社は述べている。[1]

本紙の見方

今回のAlibaba CloudによるX Square Robotへの出資は、具現化知能分野におけるAlibaba Cloudの初投資として位置づけられる。Alibaba GroupはこれまでにUnitree Robotics、Corenetic AI、Robotera、LimX Dynamics、Galaxeaなど複数のロボット・具現化知能企業に出資しており、グループ全体としては既にこの分野への関与を深めていた。しかし、クラウド部門であるAlibaba Cloudが直接投資するのは今回が初めてであり、これはAlibaba Cloudが単なる投資家ではなく、クラウド基盤とAIモデルの提供者として具現化知能のエコシステム構築に乗り出したことを示唆する。 本紙の過去報道では、JD.comが2026年8月21日に具現化AIで「インフラ」戦略を強調したことを報じた。JD.comはロボットが舞台を歩き去る演出で、具現化AIの基盤構築にあることを示唆した。これと比較すると、Alibaba Cloudの今回の動きは、クラウド事業者が具現化知能の「インフラ」層を担おうとする動きの一環とみられる。JD.comが物流・小売の実世界データと応用に強みを持つ一方、Alibaba Cloudは計算基盤とAIモデルの提供で差別化を図る可能性がある。 業界構造への含意として、Alibaba Cloudの参入は、具現化知能スタートアップにとってクラウド大手との連携が資金調達以上の意味を持つことを示す。X Square Robotは「多面的な支援」を期待すると述べており、これはクラウド計算資源やAIツールの提供、さらには販売チャネルやデータ基盤の共有を含む可能性がある。また、今回のラウンドにはCAS InvestmentやChina Development Bank Capitalといった政府系投資家も参加しており、中国における具現化知能への政策的な後押しが資金調達に反映されている。 未確定の論点としては、X Square Robotの基盤モデルの具体的な性能や、Qunta X2の量産計画、WALL-OSS-4.2Bの採用状況などが挙げられる。また、Alibaba Cloudが具体的にどのような「多面的支援」を提供するのか、その詳細は明らかにされていない。今後の発表が待たれる。

なぜ重要か

Alibaba Cloudが具現化知能分野に初めて直接投資したことで、中国のクラウド大手がロボット産業の「インフラ」層としての役割を強化する動きが明確になった。これは、具現化知能スタートアップにとって、資金調達だけでなく計算基盤やAIモデルへのアクセスが競争力を左右する時代に入ったことを示す。