何が起きたか

Nature誌(2025年7月23日付け)に掲載された研究で、コバンザメの吸盤構造を模倣した水中軟質接着システム「MUSAS」が開発されたと報告された。このシステムは、軟らかい基材に対して最大で自重の1,391倍の接着力を示し、極端なpHや湿度条件下でも性能を維持するという。

なぜ重要か

重要なのは、水中や体内のようにぬれていて、しかも動いたり表面が入れ替わったりする柔らかい組織へ、機器や薬剤送達用の装置を外部から力を加えずに留める難題に対し、具体的な設計指針と検証結果を示した点です。論文では、胃腸の収縮のような体内の力を利用する受動型の小型機構として設計し、試験管内・摘出組織・生体内の各条件で、逆流の監視、抗レトロウイルス薬の長期放出、メッセンジャーRNA投与などへの適用例を示したと報告しています。