何が起きたか
今回で10回目となる同イベントは、過去9回で累計5万7千人以上が来場しており、出展社数は100社、約200製品以上、想定来場者数は1万名、カンファレンスは40講演以上を予定する。フィジカルAI・ロボットゾーンでは、株式会社エルザジャパンが世界初のフルボディIP66防塵防水仕様の産業用ヒューマノイド「DEEPRobotics DR02」を国内初展示するほか、ドーナッツロボティクス株式会社が特許技術「サイレント ジェスチャー コントロール」を搭載した量産型二足歩行ヒューマノイド「cinnamon 1」の実機デモを行う。
詳細
エルザジャパンが出展する「DEEPRobotics DR02」は、フルボディIP66防塵防水仕様で、-20°C〜55°Cの温度環境で屋内外を問わず稼働可能。走る・飛び跳ねるといった人間に近い動きで不整地でも安定した自律移動を実現する。同社は四足歩行の「DEEPRobotics Lynx M20 Pro」も出展し、災害時の作業や救助活動への応用が期待されている。ドーナッツロボティクスの「cinnamon 1」は、声を出さずに手振りや指の動きで操作できる特許技術を搭載。DATAFLUCTはブース番号I-1で、データ分析・AIエージェント構築支援サービス「Airlake」の6つのソリューション(AI Agents、Copilot Agents、BI Agent、Retail Agent、Forecasting、platform)を展示する。
Key Facts
| 「AI博覧会 Summer 2026」は2026年8月26日(水)・27日(木)に新宿住友ビル 三角広場で開催され、出展社数は100社、約200製品以上、想定来場者数は1万名。 | [2] |
| エルザジャパンは世界初のフルボディIP66防塵防水仕様の産業用ヒューマノイド「DEEPRobotics DR02」を国内初展示する。 | [2] |
| ドーナッツロボティクスは特許技術「サイレント ジェスチャー コントロール」を搭載した量産型二足歩行ヒューマノイド「cinnamon 1」を展示する。 | [2] |
| DATAFLUCTは「AI博覧会 Summer 2026」にブース番号I-1で出展し、「Airlake」の最新技術と導入事例を解説する。 | [1] |
| 「AI博覧会」は過去9回の開催で累計5万7千人以上が来場している。 | [2] |
本紙の見方
今回の「AI博覧会 Summer 2026」は、フィジカルAIが生成AIの次なる潮流として位置づけられる中で、その実装段階にある技術を一堂に集めた点に特徴がある。注目すべきは、エルザジャパンによる「DEEPRobotics DR02」の国内初展示だ。フルボディIP66防塵防水という仕様は、従来の産業用ロボットが屋内の管理された環境を前提としてきたのに対し、屋外や過酷な環境での連続運用を想定している点で、フィジカルAIの適用範囲を広げるものと言える。また、ドーナッツロボティクスの「cinnamon 1」は、現時点では海外企業からのOEM供給に依存しつつ、独自AIを搭載して差別化を図る戦略だ。将来的な機体の国産化を目指すとしているが、現状では国内サプライチェーンの未成熟さが浮き彫りになる。これは、実世界データの不足を補うためのアプローチであり、フィジカルAIの量産化に向けた重要な要素だ。業界構造への含意として、今回の出展内容は、ロボット本体のハードウェア競争から、データ収集・シミュレーション・AIモデルといったソフトウェア層への競争軸の移行を示している。エルザジャパンやドーナッツロボティクスのようなハードウェア企業は、差別化のために独自技術(防塵防水、ジェスチャー操作)を打ち出す一方、APTOのようなデータ企業は、学習データの生成・拡張という共通基盤で競争している。未確定の論点としては、DR02の国内での具体的な導入事例や販売価格、cinnamon 1の国産化のスケジュール、APTOのデータ基盤が実際にどのロボットメーカーに採用されるかなどが挙げられる。また、イベントの想定来場者数1万名に対し、実際の集客がどの程度になるかも注目される。
なぜ重要か
フィジカルAIの実用化が進む中で、国内の展示会が産業用ヒューマノイドの国内初公開の場となることは、日本市場への本格的な参入を示す。また、データ基盤やシミュレーション技術の展示は、フィジカルAIの競争がハードウェア単体ではなく、データとAIの統合に移行していることを示唆しており、関連企業の戦略を占う上で重要なイベントとなる。
日本への影響
エルザジャパンによる国内初展示は、海外製ヒューマノイドの日本市場への投入を象徴する。一方、ドーナッツロボティクスのOEM依存は、日本のロボット部品産業にとって、国内サプライチェーンの強化が課題であることを示す。また、APTOのようなデータ企業の存在は、フィジカルAIの学習データ整備という新たな産業分野で日本の競争力が試されることを意味する。