何が起きたか

北米のロボット受注は2026年第2四半期に8,940台、金額6億2,200万ドルとなり、台数は前年同期比4.3%増、金額は21.3%増と、A3(Association for Advancing Automation)が2026年8月12日に報告した。自動車OEM向けは25%減と落ち込んだ一方、半導体・電子分野は38%増、自動車部品分野は20%増と、需要の多様化が顕著だった。

本紙の見方

今回のA3の報告は、北米ロボット市場が自動車産業への依存から脱却しつつあることを示す。自動車OEM向けが25%減と落ち込む一方、半導体・電子分野が38%増、自動車部品分野が20%増と、非自動車分野の伸びが全体を押し上げた。金額ベースの伸び(21.3%増)が台数ベース(4.3%増)を大きく上回る点は、高単価のロボット需要が増えていることを示唆する。 本紙の過去報道では、中国ドローン産業が世界市場で主導的地位を維持し、DJIが商業市場の70%超を掌握する一方、北米ではサプライチェーン構築の遅れが指摘されていた。今回のA3のデータは、北米のロボット需要が自動車以外の分野で拡大していることを示すが、供給面での北米依存度は依然として課題だろう。Bloombergのコラムが警告したように、ヒューマノイドロボット産業が北米にサプライチェーンを構築する必要性は、今回の需要拡大を受けてさらに重要性を増すとみられる。 業界構造への含意として、半導体・電子分野の受注増は、AIやデータセンター関連の投資拡大と軌を一にする。ロボット需要の多様化は、自動車向けに強みを持つ既存メーカーにとっては脅威となる一方、新興分野に特化したメーカーにとっては追い風となる。 未確定の論点としては、A3の報告に含まれるロボットの種類(産業用かサービス用か)や、地域別の内訳が明らかでない点が挙げられる。また、自動車OEM向けの減少が一時的なものか、構造的なものかは、今後の四半期データを確認する必要がある。

なぜ重要か

北米ロボット市場の需要構造が自動車から多様な産業へシフトしていることを示す。金額ベースの伸びが台数ベースを上回る点は、ロボットの高付加価値化が進んでいることを示唆し、今後の市場戦略に影響を与える。