何が起きたか

康佳集団は2026年8月27日、16件の公告を発表し、A株・B株の深セン証券取引所での上場を自主的に廃止し、新三板(全国中小企業股份転譲系統)に移行すると発表した。2022〜2025年の帰母純利益はそれぞれ17.23億元、22.58億元、37.26億元、125.82億元の赤字で、4年累計で200億元超の赤字となった。2025年末の帰母純資産はマイナス60.83億元、2026年6月末の資産負債率は133.01%に達した。

本紙の見方

康佳の退市は、中国彩電産業の構造転換と、老舗企業の多角化失敗が重なった象徴的な出来事である。本紙が既報の通り、中国のディスプレイ・LED関連企業の2026年半年報では、京東方やTCL科技が増益を確保する一方、維信諾や深天馬が赤字に沈むなど明暗が分かれた(中国ディスプレイ・LED関連企業、半年報発表相次ぐ 増益と赤字が混在)。康佳もその構図の一角にあり、彩電事業の売上総利益率1.43%という数字は、価格競争の激化とブランド力の低下を如実に示す。 康佳の凋落は、単なる経営判断の誤りではなく、産業構造の変化に対応できなかった結果とみられる。本紙が指摘したように、中国のLED表示産業では総投資1000億元超のプロジェクトが進行中で、供給側の構造変化が続いている(LED表示産業、総投資1000億元超の50件超プロジェクトが進行 供給側の構造変化が続く)。康佳も半導体や不動産に進出したが、本業の競争力強化にはつながらなかった。 一方、競合の海信やTCLは、パネル資源や垂直統合、グローバル展開で優位を築いた。TCLは華星光電のパネルを背景に垂直統合を進め、海信はレーザーテレビや画質チップに投資を続けた。康佳はこれらの分野で明確な差別化を打ち出せず、市場シェアを失った。 さらに、康佳の退市は、中国の家電産業における国有企業改革の難しさも浮き彫りにする。2025年に中国華潤が実質支配権を握ったが、業績は改善しなかった。これは、資本注入だけでは経営課題は解決しないことを示唆している。 今後確認すべき点は、第一に、新三板移行後の康佳の再建策と、彩電事業の縮小・撤退の具体的な計画である。第二に、中国華潤が康佳をどのように位置づけ、追加支援を行うかである。第三に、康佳の退市が他の老舗家電メーカーに与える影響、特に長虹や創維など同様の構造課題を抱える企業の動向である。

なぜ重要か

康佳の退市は、中国彩電産業が成熟期に入り、ブランド力と技術力を持つ一部企業だけが生き残る時代になったことを示す。投資家にとっては、老舗ブランドの経営破綻リスクを再認識させる出来事であり、中国家電市場の競争構造の変化を象徴する。

日本への影響

康佳の退市は、中国彩電市場の再編を加速させるとみられる。日本のパネルメーカーや部品サプライヤーにとっては、中国市場での販売先の減少につながる可能性がある。ただし、具体的な影響は現時点では確認できない。