何が起きたか

Xiaomiは2026年7月16日、実世界の操作軌跡10万時間超で学習した視覚言語行動(VLA)基盤モデル「Xiaomi-Robotics-1」を発表した。同モデルは、未見環境での多様なモバイル操作タスクを言語指示に従って実行でき、少量の追加学習で新規タスクに適応する。RoboCasa365ベンチマークで成功率57.4%を達成し、従来の最良値46.6%を上回った。RoboDojoでは平均スコア20.07を記録し、従来の最良値13.07を大きく上回った。

詳細

Xiaomi-Robotics-1は、UMIデバイスで収集した10万時間超の実世界操作軌跡を事前学習に使用する。事前学習では、軌跡クリップにシーン状態遷移を記述する自然言語を自動付与するスケーラブルな自動ラベリングパイプラインを開発し、行動学習のための豊富で正確な条件付けを提供する。事後学習では、ロボットの身体性と人間が自然に使う命令に能力を整合させる。実験では、データ規模とモデルサイズの増加に伴い性能が一貫して向上するスケーリング挙動を示した。コードとモデルチェックポイントは公開予定で、プロジェクトページはrobotics.xiaomi.com/xiaomi-robotics-1.html。

Key Facts

Xiaomiは2026年7月16日、VLA基盤モデル「Xiaomi-Robotics-1」を発表した。[1]
同モデルはUMIデバイスで収集した10万時間超の実世界操作軌跡で事前学習される。[1]
RoboCasa365で成功率57.4%を達成し、従来の最良値46.6%を上回った。[1]
RoboDojoで平均スコア20.07を記録し、従来の最良値13.07を上回った。[1]
コードとモデルチェックポイントは公開予定。[1]

本紙の見方

Xiaomiが発表した「Xiaomi-Robotics-1」は、同社の具身智能戦略における基盤モデル層を担う。本紙が既報の通り、Xiaomiは2026年7月15日に統一生成モデル「Xiaomi-Robotics-U0」を公開しており、今回のVLAモデルはそれに続く発表となる。U0がシーン生成や遷移予測など生成タスクを統合したのに対し、Xiaomi-Robotics-1は実世界の操作軌跡10万時間超を学習し、ロボットの行動生成に特化する。両者は役割が異なり、U0が世界モデルとして環境を理解し、Xiaomi-Robotics-1が実際の動作を出力するという構造とみられる。 注目すべきは、データ収集にUMIデバイスを用いた点だ。UMIは携帯型の操作インターフェースで、人間のデモンストレーションを低コストで収集できる。10万時間という規模は、ロボット基盤モデルとしては極めて大規模であり、Xiaomiが実世界データの収集に積極的であることを示す。また、自動ラベリングパイプラインにより、軌跡に自然言語の注釈を自動付与することで、スケーラブルな学習を実現している。 ベンチマーク結果は、RoboCasa365で57.4%、RoboDojoで20.07と、従来の最良値を大きく上回る。これは、同モデルが未見環境での汎化性能と、複雑な器用操作への適応性を備えることを示唆する。ただし、ベンチマークはシミュレーションであり、実機での性能は別途検証が必要だ。 Xiaomiは自動車生産ラインにロボットを投入し、精密組立で98%の成功率を達成したと報じられている。Xiaomi-Robotics-1が実機に適用されれば、生産ラインでの柔軟な作業がさらに進化する可能性がある。一方で、同社の掃除ロボット事業はRoborockの独立後、独自路線を模索しており、今回の基盤モデルが家庭用ロボットに応用されるかは未定だ。 今後の焦点は、コードとモデルの公開時期、実機での性能検証、そしてU0との連携による具身智能の完成度である。また、10万時間のデータ収集に要したコストや、データの多様性も検証課題となる。

なぜ重要か

Xiaomi-Robotics-1は、実世界データ10万時間超を学習したVLA基盤モデルとして、ロボットの汎用操作能力を大幅に引き上げる可能性を示した。同社が自動車生産や家庭用ロボットに応用すれば、具身智能の実用化が加速する。また、オープンソース公開により、ロボット研究コミュニティ全体の進展に寄与するだろう。

日本への影響

XiaomiのVLA基盤モデルは、ロボットの行動生成をデータ駆動で実現する点で、日本のロボット産業にも影響を与える可能性がある。特に、UMIデバイスによるデータ収集手法は、日本の製造現場でのデモンストレーション収集に応用できるかもしれない。ただし、具体的な日本市場への影響は現時点では不明であり、今後の展開を注視する必要がある。