何が起きたか

Waymoは2026年2月2日、160億ドルの投資ラウンドを発表し、評価額は1260億ドル(ポストマネー)となった。調達はDragoneer Investment Group、DST Global、Sequoia Capitalが主導し、Alphabetが過半数の株主として継続支援する。資金は2026年に東京・ロンドンを含む20都市超での配車サービス拡大に充てられる。

詳細

Waymoは中国のZeekr工場で製造される車体、バッテリー、電動パワートレインといったベース車両(シャシー)のみを輸入し、自社の自動運転システムは米国到着後に組み込む分業体制を取る。輸入申告書や各種記録によると、Ojaiの累計輸入台数は3,200台超で、うち2,600台以上は2026年に入ってから輸送された。アリゾナ州メサの統合施設には500台以上が並ぶ。シャシーの工場出荷価格は1台あたり約3万8,000〜3万8,500ドルで、102.5%の関税適用後は上限価格ベースで約7万8,000ドル。Waymo Driverのハードウェアコストは約2万5,000ドルと公表されており、単純合算で統合作業前のコストは約10万3,000ドルに達する。

Key Facts

Waymoは2026年2月2日、160億ドルの投資ラウンドを発表し、評価額は1260億ドル(ポストマネー)となった。[1]
調達はDragoneer Investment Group、DST Global、Sequoia Capitalが主導し、Alphabetが過半数の株主として継続支援する。[1]
Waymoは中国Zeekr製のロボタクシー「Ojai」を累計3,200台以上輸入し、うち2,600台以上は2026年に入ってから輸送された。[2]
シャシーの工場出荷価格は1台あたり約3万8,000〜3万8,500ドルで、102.5%の関税適用後は約7万8,000ドルに達する。[2]

本紙の見方

今回の焦点は、Waymoが中国製EVを高関税下で大量調達するというコスト構造の特異性にある。シャシー価格約3万8,000ドルに対し、102.5%の関税で約7万8,000ドルへ倍増する。それでもWaymoが輸入を続けるのは、Ojaiがロボタクシー専用に設計されたプラットフォームであり、自動運転システムの組み込みに最適化されているためとみられる。 本紙が2026年8月22日に報じたカスタムASICチップ開発(TSMC 5nm、1000TOPS超)と合わせると、Waymoは計算基盤の自社開発と車両プラットフォームの外部調達を並行させる戦略を取っている。ASICチップは1両に2つ搭載され、Waymo Driverのハードウェアコスト約2万5,000ドルの一部を構成する。このコストは公表値であり、実際の統合費用を含めると車両総コストはさらに膨らむ。 業界構造への含意として、関税コストを吸収できるのは大規模な資金調達を完了した企業に限られる。Waymoは160億ドルの調達で評価額1260億ドルとなり、資金力を背景に中国製シャシーを確保する。これは、自動運転車両の調達において、コストよりも供給の安定性と専用設計を優先する姿勢を示す。 一方、米国政府の関税政策は中国製EVの輸入を抑制する狙いがあるが、Waymoの調達はその政策の実効性に疑問を投げかける。ロボタクシー事業は車両コストが収益性に直結するため、関税が継続すればWaymoのコスト競争力に影響する可能性がある。 未確定の論点として、Ojaiの最終的な完成車コストや、関税が今後の調達計画に与える影響が挙げられる。また、Waymoが中国製シャシーに依存するリスク(地政学リスクや供給途絶)も、今後の動向を注視する必要がある。

なぜ重要か

Waymoの中国製EV大量調達は、自動運転車両のコスト構造と地政学リスクの交差点を示す。高関税を織り込んでもなお専用プラットフォームを選ぶ判断は、ロボタクシー事業のスケール優先の姿勢を反映しており、業界全体の調達戦略に影響を与える。

日本への影響

日本市場では、Waymoが2026年に東京でサービス開始を予定している。日本では中国製EVに対する関税が米国と異なるため、調達コスト構造は変わる可能性がある。また、日本の自動車メーカーは自動運転車両の供給でWaymoと競合する可能性があり、専用プラットフォームの開発が競争力の鍵となる。