何が起きたか

日経クロステックが2024年8月20日に報じたところによると、中国のAI関連企業・組織が最新技術や製品を展示する世界人工知能大会(WAIC2024)が2024年7月4~7日に上海で開催された。

本紙の見方

日経クロステックの報道によれば、WAIC2024では人型ロボットとAIパソコンが集結し、中国のハードウエア製品に独自AIが入り始めたという。また、中国AI関連の新興など100社超が一堂に会し、AGIやAIセキュリティーに高い技術力が光ったとされる。 本紙はこの報道を、中国AI産業がソフトウエア中心からハードウエアへと重心を移しつつある兆候と捉える。従来、中国のAIは顔認識や音声認識などのソフトウエア分野で存在感を示してきたが、今回の展示では人型ロボットやAIパソコンといった物理的な製品に独自AIを組み込む動きが顕在化した。これは、AI技術を単なるサービスとして提供するのではなく、ハードウエアに統合することで差別化を図る戦略の表れとみられる。 特に、人型ロボットは中国のAI産業における新たなフロンティアとして注目される。中国では労働力不足や高齢化への対応としてロボット需要が高まっており、AIを搭載した人型ロボットは製造現場やサービス業での活用が期待されている。また、AIパソコンはエッジAIの普及を後押しする可能性があり、クラウド依存からの脱却を図る中国の技術戦略と符合する。 さらに、AGI(汎用人工知能)やAIセキュリティーへの高い技術力は、中国がAIの基礎研究と応用の両面で実力を蓄えていることを示す。AGIはまだ実現には遠いが、中国の研究機関や企業が長期的な視野で開発を進めていることは、国際競争における中国の位置づけを考える上で重要だ。 一方で、本紙はこの報道が示す中国AIのハードウエア化が、サプライチェーンや標準化に与える影響にも注目する。中国製のAIチップやセンサーが独自AIと組み合わさることで、海外依存からの脱却が進む可能性がある。しかし、具体的な製品の性能や市場投入時期などは明らかでなく、今後の動向を注視する必要がある。 詳細は原典を参照されたい。

なぜ重要か

中国のAIがハードウエアに組み込まれる流れは、AI産業の競争軸をソフトウエアから物理製品へと移す可能性がある。日本企業にとっては、中国製AI搭載ハードの台頭が市場競争に与える影響を注視する必要がある。