何が起きたか
日経クロステックが2026年8月10日に、フランスのヴァレオや大同特殊鋼、ニッパツなどが希土類や重希土類を全く使わない、もしくは使用量を抑えたモーター技術の開発を進めていると報じた。
本紙の見方
本紙は、中国によるレアアース輸出規制を背景に、自動車部品メーカー各社が脱レアアースモーターの開発を加速させているという報道を、自動運転時代の部品調達リスクへの対応として位置づける。 本紙は既に、ファーウェイが電動ブレーキとSBWに参入し、自動運転の重要コンポーネントを自社開発する動きを報じた。ファーウェイは中国市場で確立した自動運転技術の世界展開を狙い、重要部品の内製化を進めている。今回の脱レアアースモーター開発は、欧州や日本の部品メーカーが、中国依存を減らすと同時に、自動運転車に求められる高効率・高出力のモーターを確保するための動きとみられる。 業界構造への含意として、モーターの脱レアアースは、磁石材料の代替技術(フェライト磁石や巻線界磁など)の実用化競争を促す。ヴァレオやニッパツ、大同特殊鋼が開発を進める新技術は、従来のネオジム磁石モーターに代わる選択肢となり得る。特に、自動運転車はモーターの信頼性と効率が重要であり、供給リスクの低いモーターは競争力の源泉となる。 一方、未確定の論点として、各社の技術方式の詳細や量産時期、性能(出力密度や効率)が明らかでない。また、脱レアアースモーターが本当に自動運転車の要求を満たすのか、コスト競争力を持つのかは今後の検証が必要だ。詳細は原典を参照されたい。
なぜ重要か
レアアース輸出規制は自動車産業のサプライチェーンに直結するリスクであり、脱レアアースモーターの開発は、自動運転時代の部品調達戦略を左右する。本記事は、部品メーカーの技術開発動向を追うことで、自動運転の重要コンポーネントを巡る競争構図を読者に示す。
日本への影響
日本の部品メーカー(ニッパツ、大同特殊鋼など)が脱レアアースモーター開発に参画していることは、日本がモーター材料技術で強みを持つことを示す。中国依存を減らす技術は、日本の自動車部品産業の競争力維持に寄与する可能性がある。