何が起きたか
株式会社リンクスは2026年9月2日、同年9月8日から11日まで東京ビッグサイトで開催される「第17回 国際物流展2026」に出展すると発表した。出展では、搬送ロボットの新製品としてCTR(Case Transfer Robot)とハンドリフトを初出展するほか、60kg〜3000kgの可搬重量に対応するAMR(自律走行搬送ロボット)やAGFなどを展示する。さらに、LMI Technologies社のGocator、Photoneo社のMotionCam-3D、Basler社のBasler Stereo miniといった3DセンサーとAMRを組み合わせた連携デモを用意する。
詳細
リンクスは、国際物流展2026の自社ブース(西4ホール W4-J03)で、AMR(iRAYPLE AMR)を中心に、AGF、CTR、ハンドリフトなど豊富なラインナップを展示する。CTRは棚に格納されたボックスを引き込み指定場所まで搬送する機種で、部品倉庫のような環境に最適とされる。ハンドリフトは最大1500kgまでの平置きパレットに対応し、田の字パレットの形状にも対応する。潜り込み式AMRは棚の下へ入り込み持ち上げて搬送するタイプで、工程間の部材搬送や生産ラインへの部品供給に適する。また、東3ホールの野村不動産ブース(E3-C13)では、iRAYPLE AGFの連携デモを各日11:00〜、13:00〜、15:00〜の約15分間実施する。産業用コードリーダでは、独自AIアルゴリズムを搭載したiRAYPLEコードリーダを展示し、R7000シリーズは最大25MPの超高解像度カメラを搭載する。3Dセンサーでは、LMI Technologies社のGocator2600シリーズ(プロファイル画素数4192ポイント、X解像度2.5μm〜最大視野幅2m)、Photoneo社のMotionCam-3D(20fpsのグローバルシャッター、最大視野3.2m×2.4m、最小解像度0.21mm)、Basler社のBasler Stereo mini(基線長50mm/95mm)を展示する。
Key Facts
| リンクスは2026年9月8日〜11日に東京ビッグサイトで開催される「第17回 国際物流展2026」に出展する。 | [1] |
| 搬送ロボットの新製品としてCTRとハンドリフトを初出展する。 | [1] |
| AMRは60kg〜3000kgまでの可搬重量に対応する。 | [1] |
| 3DセンサーとしてLMI Technologies社のGocator、Photoneo社のMotionCam-3D、Basler社のBasler Stereo miniを展示する。 | [1] |
| 野村不動産ブース(東3ホール E3-C13)でAGFの連携デモを実施する。 | [1] |
本紙の見方
リンクスが国際物流展2026で示す構成は、物流現場の「識別→搬送」を一気通貫で自動化するデモに主軸がある。展示の中心はAMRだが、注目ポイントとして挙げるのは3Dセンサーとコードリーダを組み合わせた連携デモであり、単体の搬送ロボットではなく、センサー群とAMRを連携させたシステム提案が今回の目玉とみられる。本紙が既報の通り、Photoneoは溶接セルへの部品供給自動化をテーマにウェビナーを開催し、自動車メーカーの80%が人手不足と報告している。リンクスはPhotoneoのMotionCam-3Dを展示するが、これはPhotoneoの3Dビジョン技術を物流・製造現場に実装するパートナーとしての位置づけを強める動きと読める。Photoneoが溶接工程の省人化を訴求する一方、リンクスは物流工程での活用を前面に出すことで、3Dビジョンの適用領域を広げようとしている。また、リンクスの展示は、日立が京都ロボティクスの3Dビジョン技術を軸にロボットSI子会社を統合した動きと対照的だ。日立がSI事業の強化を狙うのに対し、リンクスはテクノロジープロバイダとして、LMI、Photoneo、Baslerといった海外センサーメーカーの製品を国内顧客に橋渡しする立場を鮮明にしている。つまり、日立が自社技術の内製化・統合を進める一方、リンクスは外部の最先端技術を組み合わせて現場に実装する「オープンイノベーション型」の戦略を取っており、ロボットSIの市場で異なるアプローチが併存していることが分かる。物流業界の人手不足と2024年問題への対応が展示の背景にあるが、リンクスは単なる省人化ではなく、3Dセンサーによる高さ検知やコードリーダによる識別を組み合わせることで、変動する環境下でも安定した自動化を実現しようとしている。特に、オートフォーカス読み取りデモは、レンズからの距離が変化する環境での読み取り安定性を訴求しており、実運用での課題を意識した技術選定とみられる。未確定の論点としては、CTRやハンドリフトの具体的な価格や納期、連携デモで使用するAMRの機種、そしてこれらの新製品がどの程度の受注を見込むかが挙げられる。リンクスの発表では、これらの詳細は明らかにされていない。
なぜ重要か
リンクスの出展は、物流自動化の主役が単体のAMRから、3Dセンサーやコードリーダを組み合わせた「認識・判断・搬送」の統合システムへと移行しつつあることを示す。国内の物流現場は人手不足と2024年問題への対応が急務であり、こうした連携デモは、実際の倉庫での仕分け作業を自動化する際の具体的な選択肢を提示する。
日本への影響
リンクスが展示する3Dセンサーは、LMI Technologies(カナダ)、Photoneo(スロバキア)、Basler(ドイツ)と海外製が中心で、国内メーカーの製品は含まれない。これは、日本の物流・製造現場向けの高精度センサーにおいて、海外製品の依存度が高い現状を示唆する。一方で、リンクスのようなテクノロジープロバイダがこれらの製品を国内に橋渡しする役割を担っており、日本のSI企業にとっては、海外センサーを活用したシステム構築が競争力の源泉となる可能性がある。