何が起きたか
禾赛科技は2026年8月18日、Q2未監査業績を発表する。前日NASDAQ終値は17.19ドルで、前日比9.6%安、時価総額は約30億ドル。Q2売上高ガイダンスは8.5億〜9.0億元、2026年通年のレーザーレーダー出荷目標は300万〜350万台。
本紙の見方
禾赛科技のQ2決算発表は、同社の事業構造が自動車向けADASからロボット向けセンサーへと重心を移す転換点を検証する機会となる。2025年の出荷実績は160万台で、5年連続で倍増した。2026年の目標は300万〜350万台と、約2倍の増加を見込む。この成長の主役は、自動車向けではなく、ロボット向けのJTシリーズとされる。JTシリーズは累計20万顆を突破し、追憶生態との1000万顆の独占供給契約が最大の牽引役だ。また、宇樹科技の全系ロボットに搭載され、2026年春晩にも登場した。さらに、東南アジアのスーパーアプリGrabと戦略提携し、Grabが東南アジアでの独占販売代理店となる。 本紙の過去報道では、自動運転市場の経済波及効果が2040年度までに187.3兆円に達する見込みであることを報じた。禾赛の動きは、自動運転の基盤技術がロボット分野へ横展開される典型例と言える。また、MetaがロボットAI開発のAssured Robot Intelligenceを買収したことを報じたが、禾赛はハードウェア側でPhysical AI基盤を目指す。ソフトウェアとハードウェアの両面で、ロボット産業の基盤整備が進んでいる。 禾赛の技術プラットフォームは、2026年4月に発表したPicasso 6D全彩SPAD-SoCと、Kosmo空間智能プラットフォームが中核だ。Picassoは世界初の単芯片でRGB感知と飛行時間測距を統合した車載級SPAD-SoCで、Kosmoは具身智能ロボットの実行器モジュールを定位する。これにより、禾赛は「空間感知」から「空間智能」へ転換し、センサー供給からPhysical AIインフラ提供へと進化する。 一方で、地政学リスクと関連取引が評価の重荷となっている。禾赛は2024年に米国防総省の「中国軍事企業」リストに追加され、米国防総省との契約が禁止された。李一帆CEOは7月にCNBCで「証拠不足、非論理的」と述べ、中国軍向けに活動していないと強調した。また、8月1日にはSharpaとの供給枠組み契約を改訂し、2026年の関連取引上限を1億元から3億元に引き上げた。さらに、Sharpaの電源モジュールと製造サービスのコスト加算利益率を70%〜80%に引き上げる提案が、8月28日の臨時株主総会で承認を求める。 これらの動きは、禾赛がロボット事業を拡大する一方で、ガバナンスと透明性の課題を抱えることを示す。Q2決算では、ロボット事業の売上比率とSharpaの実行器量産ペースが焦点となる。詳細は原典を参照されたい。
なぜ重要か
禾赛科技の決算は、レーザーレーダー市場が自動車からロボットへとシフトする過渡期の指標となる。同社の出荷目標達成は、ロボット向けセンサーの需要が実質的に拡大しているかどうかの試金石であり、Physical AI時代のハードウェア基盤の行方を占う。