何が起きたか

株式会社モルテンは2026年8月18日、ロボット工学を軸にエンジニアやクリエイターが交流するコミュニティ『ROX(Robotics Open eXchange)』のイベント『ROX2026』を、9月4日(金)・5日(土)の2日間、広島市西区のテクニカルセンター molten [the Box]で開催すると発表した。今年で3年目となる今回は、参画パートナーが10社に拡大した。参加チームは香川高専など12校で、企業と学生が1チーム4名編制で挑む。

詳細

開催日程は2026年9月4日(金)・5日(土)。場所はモルテン テクニカルセンター molten [the Box](広島県広島市西区観音新町四丁目10-97-21)。チームパートナーはNOK、岡野バルブ製造、ドーワテクノス、フクシマガリレイ、モルテンの5社。大会パートナーは三井住友銀行、ソミックマネージメントホールディングス。メディアパートナーは中国新聞社。メモリアルパートナーはオタフクソース、ますやみそ。予選を勝ち抜いた4チームによるトーナメントで、優勝チームには賞金20万円。会場は一般公開ではなく、参加選手の家族・友人、チーム関係者、参加パートナー企業からの紹介者に限定される。

Key Facts

モルテンは2026年8月18日、『ROX2026』を9月4日・5日に開催すると発表した。[2]
参画パートナーは今年で10社に拡大した。[2]
参加チームは12校で、企業と学生が1チーム4名編制で参加する。[2]
優勝チームには賞金20万円が贈られる。[2]
会場はモルテン テクニカルセンター molten [the Box](広島市西区)。[2]

本紙の見方

今回の『ROX2026』は、モルテンが掲げる『ハードウェア大国日本の熱源をつくる』という理念を具体化する場として、3年目を迎えた。参画パートナーが10社に拡大した点は、地方製造業の技術者不足という共通課題に対し、企業が連携して人材育成に当たる動きが広がりつつあることを示す。本紙の過去報道では、2026年8月に清水建設のAIロボ研究開発を支援したProx Industriesや、フィジカルデータ生成センターを構築するINSOL-HIGHなど、フィジカルAI領域での技術基盤整備が相次いで報じられた。これらは計算資源やデータ基盤といった『ハード』の整備が中心だが、ROXは人材という『ソフト』の側面から産業基盤を強化する試みだ。技術と人材の両輪がそろって初めて、フィジカルAI時代の競争力が形になる。業界構造への含意として、ROXの特徴は企業と学生が同じチームで競う点にある。通常のロボコンは学生主体だが、ROXでは企業エンジニアが学生と直接協働する。これにより、企業は採用候補の学生の実力を間近で見極められ、学生は実務的な技術や考え方を学べる。地方企業にとっては、都市部志向の強い学生と接点を持つ貴重な機会となる。一方、未確定の論点もある。ROXが掲げる『日本一クリエイティブなロボコン』という演出面の評価や、参加企業の採用実績への具体的な効果は、現時点では公表されていない。また、参画パートナー10社のうち、チームパートナーは5社で、残りは大会・メディア・メモリアルパートナーとしての関与だ。企業の関与の深さは一律ではなく、今後のコミュニティ運営でどう深化させるかが焦点になる。

なぜ重要か

地方製造業の技術者不足は、各種統計で裏付けられる構造的な課題だ。ROXは企業と学生が直接つながる場を提供することで、採用と育成を同時に進める試みとして、業界全体の人事戦略に一石を投じる。

日本への影響

日本の製造業は、自動車や電子部品などで世界市場における競争力を維持してきたが、ハードウェアエンジニアの不足が深刻化している。ROXのような地域密着型の人材育成コミュニティは、地方のモノづくり産業の持続可能性を高める可能性がある。