何が起きたか

独半導体大手インフィニオンテクノロジーズのCEOイェンセン・ハーネベック氏は2026年2月18日、独紙ハンデルスブラットに対し、ヒューマノイドロボット向けマイクロチップ市場が「AIデータセンター向け高性能半導体の今日の市場のような成長市場になり得る」と述べた。同氏は、同社が自動運転事業を通じて多くのチップを既に生産可能であり、新規の社内技術開発の必要性は限定的だと付け加えた。

詳細

インフィニオンはドイツの半導体メーカーで、自動車向けパワー半導体などで知られる。ハーネベックCEOの発言は、ヒューマノイドロボット向け半導体が将来の成長分野となる可能性を示唆するもの。同社は自動運転向けのセンサーやマイコン技術を応用できるとみられる。具体的な製品名や生産計画、投資額などは公表されていない。

Key Facts

インフィニオンCEOのイェンセン・ハーネベック氏は、ヒューマノイドロボット向けマイクロチップ市場がAIデータセンター向け高性能半導体と同様の成長市場になり得ると述べた(2026年2月18日、ハンデルスブラット紙)。[1]
同氏は、インフィニオンがヒューマノイドロボット向けマイクロチップを既に多く生産可能であり、自動運転事業により新規技術開発の必要性は限定的と述べた。[1]

本紙の見方

今回の発言は、ヒューマノイドロボット向け半導体市場が、AIデータセンター向け半導体に続く成長領域として注目され始めていることを示す。インフィニオンは自動車向けパワー半導体やセンサーで強みを持ち、自動運転技術で培ったノウハウを応用できるとCEOは主張する。これは、ヒューマノイドロボットの駆動系やセンシングに必要な半導体が、自動車向けと技術的に近いことを示唆しており、同社の既存事業とのシナジーが期待できる。 本紙の過去報道では、ヒューマノイドロボットの量産化と半導体需要(2025年11月)やロボット用チップの競争構図(2025年9月)を報じた。これらの記事では、ヒューマノイドロボットの量産には高性能なセンサーやモーター制御用チップが不可欠であり、既存の半導体メーカーが参入機会を模索していると分析した。インフィニオンの今回の発言は、こうした流れを裏付けるものであり、特に自動車向け半導体メーカーがロボット市場に参入する動きが加速する可能性がある。 業界構造への含意として、インフィニオンの強みはパワー半導体とセンサーにある。ヒューマノイドロボットは多数のモーターを精密に制御する必要があり、モーター駆動用のパワー半導体や位置・力覚センサーが重要となる。同社は自動運転向けにこれらの技術を蓄積しており、ロボット向けに転用しやすい。一方、AI処理用の高性能プロセッサはエヌビディアなどが強みを持ち、インフィニオンは周辺チップで差別化を図る構図とみられる。 未確定の論点として、まず、インフィニオンが具体的にどのロボットメーカーと供給契約を結ぶのかが注目される。次に、ヒューマノイドロボットの量産時期と半導体需要の規模が不透明であり、市場成長のペースを左右する。最後に、同社の技術が実際にロボット向けで競争力を持つかどうか、実証段階での評価が待たれる。

なぜ重要か

ヒューマノイドロボット市場の成長は、半導体メーカーにとって新たな需要創出の機会となる。インフィニオンのような自動車向け半導体大手が参入することで、ロボット部品のサプライチェーンが自動車産業と接続され、量産化が加速する可能性がある。読者にとっては、ロボット産業の実用化が半導体技術の進展と結びついていることを示す重要な指標となる。

日本への影響

日本の半導体産業は、センサーやパワー半導体で強みを持つが、ヒューマノイドロボット向けの専用チップ開発では海外勢に遅れを取る可能性がある。インフィニオンのような欧州勢が自動車技術を応用して参入する動きは、日本の部品メーカーにとって競争圧力となる。一方で、日本のロボットメーカーがインフィニオン製チップを採用する場合、供給網の多様化につながる可能性もある。