何が起きたか
FastLabelは、経済産業省及びNEDOが実施する国家プロジェクト「ロボット基盤モデルの研究開発(GENIAC)」に採択されたと発表した。公表主体はFastLabelで、採択先は同社である。発表文では、採択の事実に加え、プラント産業の巡視点検業務高度化に向けた4足歩行ロボットのロコマニピュレーション技術及びVLAモデルの開発が示されている。
詳細
公開されたプレスリリースでは、FastLabelが「ロボット基盤モデルの研究開発(GENIAC)」に採択されたことが示されている。GENIACは経済産業省及びNEDOが実施するプロジェクトで、FastLabelはデータ設計、学習データ整備、モデル開発、評価を担い、九州電力と連携して技術開発を進めるとしている。
Key Facts
| FastLabelが「ロボット基盤モデルの研究開発(GENIAC)」に採択された。 | [1] |
| GENIACは経済産業省及びNEDOが実施する国家プロジェクトである。 | [1] |
本紙の見方
今回の発表で新しいのは、FastLabelが経済産業省とNEDOの国家プロジェクト枠に入った点である。発表文では、採択の事実に加え、4足歩行ロボット向けロコマニピュレーション技術及びVLAモデルの開発、九州電力の火力発電所での実地検証が示されている。したがって、ニュースの中心は「何を作るか」よりも、「ロボット基盤モデル」を公的プロジェクトの対象としてFastLabelが認定されたことにある。 本紙の関連記事である FastLabel、データ生産工場の立ち上げ・運用支援「Data Factory Operations」を提供開始 では、同社がデータ生産の立ち上げと運用支援を前面に出していた。今回のGENIAC採択は、その延長線上で、データの整備・運用支援からロボット基盤モデルの研究開発へと関与領域が広がる構図と読める。一方で、前回記事では実務面のサービス提供が焦点だったのに対し、今回は国家プロジェクトへの参加であり、事業の見せ方が「支援サービス」から「公的研究枠での役割」に移っている。 業界構造でみると、ロボット基盤モデルは実機データ、学習用データ整備、モデル開発の接続が重要になる。FastLabelのようなデータ関連企業が国家プロジェクトに入る場合、単なるモデル開発だけでなく、学習データの収集・整備・品質管理のどこを担うかが焦点になるとみられる。発表文は共同研究先として九州電力を明記し、同社の火力発電所で巡視点検業務等の自動化・高度化に向けた実地検証を行うとしている。
なぜ重要か
FastLabelがNEDOの国家プロジェクトに採択された事実は、同社の事業がデータ支援にとどまらず、ロボット基盤モデルの研究開発の文脈に入ることを示す。発表元によれば対象は「ロボット基盤モデルの研究開発(GENIAC)」であり、データ整備やモデル開発のどの工程を担うかが注目点になる。
日本への影響
日本では、ロボット基盤モデルの開発に向けて、モデルそのものだけでなく学習データの整備・運用を担う企業の存在が重要になるとみられる。FastLabelのようなデータ生産支援を掲げる企業が国家プロジェクトに関与することで、データ整備を受け持つ国産プレーヤーの役割が問われやすくなる。