何が起きたか

Counterpoint Researchは2026年2月23日、2025年のヒューマノイドロボット世界売上が5億ドルを超え、中国企業が商業化を主導していると報じた。

本紙の見方

Counterpoint Researchの調査は、ヒューマノイドロボットが研究開発段階から商業展開へ移行したことを示す。2025年の世界売上5億ドル超は、同市場が初めて明確な収益を生み出した節目といえる。上位3社が中国企業で占められ、世界売上の半分以上を中国勢が稼いだ点は、本紙が既報のUnitreeの上海上場中国ヒューマノイドの実用化課題で指摘した構造と符合する。 注目すべきは、売上を牽引した用途が「エンターテインメント・パフォーマンス」と「データ生成」で、それぞれ売上の26%と22%を占めたことだ。これは、労働力代替という長期的目標よりも、現時点ではショーやデータ収集といった限定的な用途が収益の柱であることを示す。本紙がAFP報道を基に考察した通り、訓練データ生成の非効率性が実用化の壁となっており、データ生成用途が売上の22%を占めるのは、その課題を反映したものとみられる。 AGIBOTの首位は、同社がエンターテインメントやサービスなど複数シナリオで大規模展開を進めた結果だ。一方、Unitreeは上場初日に株価が高騰し、時価総額約500億ドルに達したが、売上ではAGIBOTに次ぐ位置にある。市場の評価と実際の売上規模の乖離は、投資家の期待が将来の成長に基づいていることを示唆する。 2027年の世界売上44億ドルという予測は、2025年の約8倍に相当する。この急成長が実現するかは、量産コストの低減と、労働力代替という本命用途の開拓にかかっている。本紙がTeslaのOptimus量産計画で報じたように、TeslaはFremontで年産100万台を目指すが、中国勢も同様のスケールを追求するかが焦点となる。 現時点では、売上の大半がエンターテインメントとデータ生成に依存しており、製造現場での実用化はまだ限定的だ。今後の注目点は、AGIBOTやUnitreeが労働力代替用途でどれだけの売上を積み上げられるか、そして2027年までに市場が予測通り拡大するかである。詳細はCounterpoint Researchの原典を参照されたい。

なぜ重要か

ヒューマノイドロボット市場が初めて明確な収益を生み出し、中国企業がその主導権を握ったことは、今後の産業構造を占う上で重要だ。売上の用途構成は、現時点での実用化の限界を示す一方、2027年に向けた市場拡大の可能性も示唆している。